


コロナでCAの採用はしばらく凍結かなあ…



CAの採用が本格的に再開されるのはいつかなあ…
CA=キャビンアテンダント(客室乗務員)の採用は、新型コロナウイルスの影響で大手航空会社を中心に凍結したままです。CAを目指している人は、今後の採用再開の見通しなどを把握していないと、夢を実現できません。
私はアメリカでパイロットをしています。日本の航空会社にもたくさんの知人が働いているため、CAの採用事情についても精通しています。
ここではそんな私が、今後のCAの採用について詳しく解説します。
この記事を読めば、CAという夢の実現に向けて、何をすればいいかがわかります。
CAの採用は大手ほど厳しい
CA希望者にまず知ってもらいたいのは、航空会社が置かれている状況です。世界中の航空会社が、コロナによって未曽有の打撃を受けました。とりわけ厳しい経営環境にあるのが大手航空会社です。日本でいえばANAとJALです。
以下に詳しく解説します。
大手が厳しい理由は国際線依存
大手航空会社がコロナの影響をもっとも受けている理由は、国際線に依存している割合が大きいためです。ANAもJALも訪日外国人増加の追い風を受け、国際線で大きな利益を上げてきました。
ANAとJALが発表した2021年3月までの最終的な損益の見通しは次のとおりです。
- ANA ・・・グループ全体で過去最高の5,100億円の赤字
- JAL ・・・2,400億円~2,700億円の赤字
外資系は壊滅的な厳しさ
外資系航空会社はいっそう厳しい状況にあります。アメリカの航空会社は、自国で従業員のレイオフ(一時解雇)が一部で始まっています。雇用自体は守られている日本の航空会社とくらべても、厳しさは一目瞭然です。
こうしたことを受けて、ユナイテッド航空はCAの成田ベースの閉鎖を決めました。成田ベースは日本人を中心としたCAの勤務地です。成田ベースのCAは、米国本土やハワイ、グアム便などに乗務していました。
新規航空会社は狙い目かも
こうしたなか、国内線を中心に運航しているいわゆる新規航空会社は、今後、狙い目になってくるかもしれません。国際線にくらべれば、需要の回復が早いためです。
たとえば以下の航空会社の動向は要チェックです。
- ソラシド(宮崎本社)・・・CA採用の凍結発表せず
- スターフライヤー(北九州拠点)・・・同じくCA採用の凍結発表せず
- オリエンタルブリッジ(長崎拠点)・・・2021年2月入社のCAを選考。
これまで大手は、新規航空会社より高待遇でした。しかし、これからこうした“常識”は大きく変わることが予想されます。
なにがなんでもCAになりたければ、採用を継続している航空会社に飛びこむのもひとつの方法です。このあと説明しますが、入社後に会社を変えることも決して不可能ではありません。
LCCは既卒や未経験でも採用の可能性あり
新卒、既卒を問わず、積極的にCAの採用をしているのはLCC=格安航空会社です。具体的には、ジェットスター・ジャパンやピーチなどです。コロナの感染拡大後も、CAの採用を継続しています。
これらの航空会社のCAは入れ替わりが激しいのが特徴です。新しい人が入っては、出て行く人もいます。
LCCは「人を育てる」という余裕がないため、経験者だと高い確率で採用につながります。CAを含む社員の流動性が高いために、採用は常に活発です。未経験者でも問題ありません。
ただ、最初のうち雇用形態は「契約社員」という位置づけで、年収は300万円にとどまります。



CAになる夢をかなえたければLCCという選択肢はある!詳しくは以下の記事をチェックしてみて!




大手のCA採用再開の見通し
多くの人が気になるのはANAやJALといった大手の動向でしょう。大型機に乗務し、国際線も飛びたいという希望を持っている人もいると思います。
大手航空会社に勤める知人からの話も参考にしながら、CAの採用再開の見通しを考えてみます。
ビジネスモデルが変わる可能性
CA希望者にまず知ってほしいのは、大手航空会社のビジネスモデルが変わる可能性があることです。
たとえばANAは2020年10月の中間決算の会見で、今後の収益確保策として次の2つを発表しました。
- 2022年をメドにLCC立ち上げ
- 航空以外の分野の強化
ANA内部の方から聞いた情報を総合すると、1.については、ボーイング787を主力機とする国際線のLCCを立ち上げる方針です。787は経済的で長距離を飛行できます。787を活用して、東南アジアやオーストラリアとを結ぶ新たなブランドを立ち上げるそうです。
2.については、物販事業の強化が柱のようです。マイレージサービスなどで集めた顧客データを活用して、新たな収益を確保するとしています。
ANAはCAが他社で雇用契約を結んで働くことを認めています。いっぽうJALは、観光振興でCAを各地に派遣しています。このようにCAは、本来業務以外で働く機会が大幅に増えています。
こうした現状や今後の経営方針を考えると、CAになったら別の業務をすることもあるかもしれないというのは、頭の片隅に入れておいたほうがいいでしょう。
2024年が節目になる可能性も
大手の採用はしばらく凍結される可能性もあります。経営の収支が釣り合うようになるには、しばらく時間がかかるからです。
ひとつの節目とみられるのが2024年です。IATA=国際航空運送協会は、世界の航空需要がコロナ前の水準に戻るのは2024年と予測しています。
2024年に需要が仮に回復しても、そのころの航空業界はいまと大きく変わっているかもしれません。ANAは先ほどの計画どおりに進めば、国際線のLCCを飛ばしていることになります。
ANAがLCCの採用をグループで一括して行うのか、別々に行うのかはまだ決まっていません。いずれにしても、これまでのような「メガキャリア(大手)vs LCC(格安航空会社)」という構図自体が大きく崩れることが予想されます。
国内線の需要回復にかかっている
CAの採用再開は、国内線の需要がどれほど回復するかにかかっています。国内線の需要が戻らなければ、航空会社の経営体力は回復しないからです。
航空会社の国内線の路線網や便数に変化が生じるかどうかもポイントです。経営再建策として、路線網を削減したり減便したりすれば、必要となるCAの数は少なくなります。事業を縮小するとなると、CAの採用再開は遠のく可能性もあります。
採用再開は少人数から
ANAもJALも経営幹部は、「本当は採用を凍結したくない」と考えています。何年も採用を凍結してしまうと、社内の年次(年齢)構成がいびつになってしまうためです。
年次構成がいびつになると、将来、特定の時期に退職者が集中してしまいます。そうなると、今度は深刻な人手不足に陥ってしまいます。
関係者の話では、採用再開するにしても初めは採用人数を絞って、これまでより少ない人数の採用にとどまるのではないかということです。
CAを少人数採用する際の判断基準
採用人数を絞って選考する場合、航空会社側は次の2つを考えるでしょう。
- より優秀な人を採用したい
- 即戦力になる人を採用したい
ひとつめについては言うまでもありません。人数が絞られる分、“金の卵”を採用したいと考えるでしょう。
もうひとつは、育てるのに時間や手間がかかる人より、即戦力となる人材を確保したいと考えるものとみられます。ここでいう「即戦力」は、必ずしも経験者ということではありません。
人間性やコミュニケーション力
「即戦力」になる人材として航空会社が重視するのは、人間性やコミュニケーション能力です。航空会社はチームワークで仕事をします。明るくて、前向きで、素直で…といった人間性は、仲間といっしょに仕事をしていくうえで欠かせない素質です。
コミュニケーション能力も重要です。コミュニケーション能力は、接客業の基本です。社内でさまざまな職種の人と関わる際も、コミュニケーション能力は欠かせません。
サービス精神
サービス精神はますます重要な要素になるでしょう。ANAのように、航空以外の分野にも乗り出す場合、「サービス精神」や「営業力」は大きな評価ポイントになります。
CAが航空会社の物販の部門も担当することになるかどうかは未定です。ただ、会社の将来性が不透明なことを考えると、採用担当者は「もし将来、物販の分野で働くことになれば…」と考えても不思議ではありません。
アルバイトや仕事などでサービス業についたことがあれば、十分アピールできます。
英語力
英語力は採用の際、大きな判断材料になります。航空会社はいまやLCCでも国際線を運航する時代だからです。航空会社には、外国人の社員やスタッフも在籍しています。
英語力がないと、社内でのコミュニケーションにも支障が生じます。採用した社員の英語教育をする余裕は航空会社にありません。なので、最初から一定の英語力がある人を採用しようとします。多くの航空会社では、TOEIC600点以上を条件に掲げています。



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CAを目指す人がいますぐ行動すべきこと
コロナ渦にあっても、CAになれるチャンスは十分あります。ただ、限られた人数しか採用しないことを考えると、高い競争率をくぐり抜けなければなりません。
夢の実現に向け、いまCAを目指す人がすべきことをお伝えします。
“大手VS非大手”という思考からの脱却
これから少なくとも向こう数年間は、「大手=高待遇」「非大手=冷遇」という図式があてはまりません。どの航空会社に入るにしても、ある意味、覚悟を持って入社する必要があります。
そのためには「大手だから高待遇が約束されている」という固定観念からの脱却が必要です。そのうえで、次の2つの選択肢があります。
- 地方勤務の国内線乗務でもCAになる
- いったん別の仕事につき既卒で大手のCAを狙う
本命の航空会社でなくても採用があれば飛び込むかどうか、そこは自分のライフスタイルを含めて、じっくり考えましょう。CAはどこの航空会社でも経験を積めば、転職できる余地があります。CAへの熱い思いがあれば、いちど別の航空会社でCAとしての経験を積むのもひとつの選択肢です。
立ち居振る舞いや美容
CAの採用試験を受けるまえのいますべきことのひとつに、立ち居振る舞いや美容にお金や時間をかけることがあります。
CAにとって立ち居振る舞いは重要なポイントです。基本的な礼儀作法や、エチケットはいまのうちに身につけておきたいところです。
また、ルックスも採用に少なからず影響します。たとえば歯列矯正をするならいまがチャンスです。日本の航空会社のなかには、CAは歯列矯正の器具が見えてはいけないという規則があるからです。
使える英語力を身につける
英語力もいまのうちに身につけておきたいスキルです。以下の理由からです。
- 採用試験や面接で英語が必要
- 仕事についてからも必要
CAに求められるのは使える英語です。外国人の客に英語で接客できるか。英語で機内アナウンスができるかなどが大切です。
だからこそ、各航空会社とも採用試験では英語の面接を課しています。英語でコミュニケーションできるスキルが不可欠です。
こうしたスキルをこれからつけるのであれば、安くて確実なのはオンライン英会話です。オンライン英会話は、実践的な英語をネイティブの講師から学べます。
私の訓練生は大手のDMMをよく利用しています。25分の1レッスンが200円前後と、破格の低料金です。講師のプロフィールを見て、好きな講師の好きな時間帯に予約を入れられるので、忙しい学生には最適といえます。
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まとめ
CAになりたい人にお伝えしたいことをまとめると、以下の4点です。
- 航空業界は今後、大きく業態が変わる可能性
- 地方勤務、国内線乗務でもよければ採用はある
- 大手は“高待遇”という思考回路からの脱却
- 価値感や人生設計を踏まえて進路選択をする
そして、“いま”という貴重な時間を、ぜひ自分磨きに使ってください。いざ採用が再開されてもバタバタしないように、立ち居振る舞いや英語学習など、いまからしっかり取り組み、ぜひ夢を実現してください。