【コロナ渦でCAになるには】LCCの採用に期待できる理由!

航空業界

LCCの一部でCAを採用してるって聞くけど本当かなあ……

LCCのCAって待遇とか不安だなあ……

新型コロナウイルスの影響で、CAになる夢が絶たれたという人は多いと思います。でも、実際にはLCCで積極的に採用しているところもあります。正しい情報を持っていないと夢は叶えられません。

私は英語を独学しアメリカでパイロットとなりました。日本の航空業界にも知人は多く、CAの採用についても熟知しています。

ここではそんな私が、コロナ渦でCAになるにはLCCが狙い目であることをじっくり解説します。この記事を読めば、CAの夢に近づけます。

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いまCAになるにはLCCがおすすめ!

どうしてもCAになりたいという人におすすめなのは、LCCです。新型コロナウイルスの影響で、大手航空会社が厳しい状況に置かれるなか、LCCは比較的経営体力のあるところが多いからです。

こうしたこ事情から、JALやANAなど大手航空会社のLCC参入も加速しています。JALは子会社のLCC、ZIPAIRを設立。2020年10月からソウルやバンコク、ホノルルとの路線を開設しています。中距離の国際線を運航するLCCです。

いっぽうANAも新たなLCCを立ち上げ、2022年度をめどに運航を始めたい考えです。ZIPAIRと同じく、中距離の国際線運航をビジネスモデルとしています。

新型コロナウイルスの感染拡大が、皮肉にもLCC市場の拡大につながっています。

ZIPAIRは100人のCAを採用

ZIPAIRの前のめりな事業展開には、多くの航空関係者が驚きました。このコロナ渦のなかで100人のCAを新たに採用することを表明。経験者と未経験者に分けて、採用を実施しました。

ZIPAIRは日本航空が100%出資する完全子会社です。もうひとつのLCC、ジェットスター・ジャパンは日本航空が50%出資しています。なので、ZIPAIRのCAは日本航空やジェットスター・ジャパンからの転籍でまかなうとみられていましたが、新規の採用も行いました。

ANAも中距離国際線のLCC設立へ

ANAが新たに設立するLCCは2022年度の運航開始を目指しています。会社名などはまだ決まっていませんが、ANAの発表によると、東南アジアやオーストラリアを中心とした中距離の国際線を就航させる計画です。

ANAホールディングスは関西空港を拠点とするLCC、ピーチの筆頭株主でもあります。今後ピーチは国内線や近距離国際線、新たに設立するLCCは中距離国際線といった“すみ分け”をしていくことになりそうです。

新型コロナウイルスがLCC事業を後押し

大手航空会社がLCC事業に乗り出す背景にあるのが、新型コロナウイルスです。コストを抑えて利益を得るLCCのビジネスモデルは、今後生き残るうえで欠かせないという経営判断があったものとみられます。

「大手メガキャリア vs LCC」というこれまでの構図は、今後崩れていくでしょう。CAを目指す人は、しっかり頭に入れておく必要があります。

既存LCCのジェットスター・ジャパンやピーチも攻勢へ

既存のLCCも手をこまねいているわけではありません。今後の生き残りに向けた事業展開を打ち出しています。

ジェットスター・ジャパンは低コスト経営へ

ジェットスター・ジャパンは、事業規模をどんどん縮小させています。成田と関西空港の2つの拠点のうち、関西空港を閉鎖。経営資源を成田に集中させました。採算性の悪い路線からも次々と撤退を表明しています。

ジェットスター・ジャパンはLCCでありながらも、親会社の日本航空やオーストラリアのジェットスターの意向が経営に大きく影響してきました。LCCは本来、1にも2にも採算性重視ですが、ジェットスター・ジャパンは客の「利便性」も重視しながら経営を進めてきました。

それは裏を返せば、多少採算性が悪くても運航してきた部分があることを意味します。内部の関係者に話を聞くと、新型コロナウイルスの影響をきかっけに、ジェットスター・ジャパンは低コスト体質に生まれ変わろうとしているようです。

ピーチは新規路線を開設

ピーチはコロナ渦においても、果敢に新規路線を開設しています。

2020年12月には名古屋(中部)―札幌(新千歳)名古屋(中部)―仙台、2021年の1月には名古屋(中部)―沖縄(那覇)名古屋(中部)―石垣、2月には成田―女満別成田―大分などで新規就航しています。

新型コロナウイルスは特に国際線に大きな影響を与えているため、国内線を中心に少しでも売り上げを確保しようという戦略です。

CAの待遇はLCCと大手の“格差”縮小傾向に

CAになりたいならLCCも視野に入れることが必要です。これまではCAになるといえば、下のような図式で、JALやANAへの入社を志望する人が多かったと思います。

  • LCC・・待遇悪い→入りたくない
  • 大手メガキャリア・・好待遇→入りたい

これからは、この図式が崩れていくことが予想されます。

CAのイメージも変わる可能性

新型コロナによる打撃から、大手航空会社が回復するまでには年単位の時間がかかります。その間、残念ながら社員の待遇改善は期待できません。

いっぽうでLCCは今後、事業の伸びが期待できます。待遇が大手なみに引き上げられる可能性はありませんが、これ以上大きく下がることもないでしょう。大手航空会社とLCCの待遇の差は小さくなる方向です。

社会的ステータスが比較的高かったCAのイメージも変わってくるかもしれません。それでも空を飛びたいと思えば、LCCも就職先として視野に入れることで道は開けると思います。

大手のCA採用再開が見通せない

CA希望者がLCCも視野に入れたほうがいいもうひとつの理由は、大手の採用再開がまったく見通せないことです。航空需要がどれほど回復するかにかかっています。

航空需要は国内線から回復していきます。国内線が回復しないうちは、国際線の回復もありません。国際線に大きく依存してきたJALやANAの業績回復は、かなり遠い道のりです。

まったく先の見通せない大手の採用再開に期待するより、まずはLCCでCAになれれば、その後別の航空会社に転職する道も開けてきます。

今後の航空業界の展望については以下の記事で詳しく解説しているよ!

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LCCの社風は自由でカジュアル

LCCは日本ではまだ歴史が浅いため、どんな社風の会社なのかわからないという人も多いと思います。日本でLCCが誕生したのはまだ2012年のことです。

会社にもよりますが、全体として社風は自由でカジュアルな雰囲気です。特徴をあげるとすれば次の3つです。

  • 若々しい
  • ベンチャー企業の雰囲気がある
  • 英語が飛び交う

それぞれもう少し具体的に解説します。

LCCは歴史が浅いので“若い”

LCCは誕生してからの日が浅いので、若々しい印象です。社員の平均年齢のデータは公表されていませんが、実際に平均年齢を出したら大手より若いと思います。

コストを抑えた経営をするというLCCの性格上、若手の契約社員を多用していることが“若さ”につながっています。

会社自体も“若い”ため、古いしきたりなどはありません。社員の数も大手にくらべれば圧倒的に少なく、社員ひとりひとりの力で日々フライトしている実感がわくと思います。社員同士ファーストネームで呼び合うこともあり、上下関係も比較的ラフなのも特徴です。

LCCは“ベンチャー企業”

LCCにはベンチャー企業の雰囲気があります。実際、大手航空会社が独占してきた航空業界に参入したわけで、“空のベンチャー企業” に間違いありません。

実際に社員のなかには、ベンチャー企業やIT業界から転職してきた人もいます。LCCで働く私の知り合いのなかには、楽天からLCCに入社し、第一線で活躍している人もいます。

大手航空会社は新卒で入社した人ばかりですが、LCCはひとりひとりのバックグランドが違います。いろんな人から刺激を受けながら働けることは、LCCのメリットです。

LCCでは英語が飛び交う

LCCではしばしば英語が飛び交い、コスモポリタンな雰囲気があります。LCCは国内線中心であるにも関わらず、国際線を中心に運航している大手航空会社より“国際的”です。

その理由は次の2つがあげられます。

  • 外国人の割合が高い
  • LCCは欧米文化

LCCは、パイロットやCA、地上職のなかに、一定数の外国人がいます。社員全体に占める外国人の割合は、大手航空会社とくらべれば圧倒的に高いといえます。国もアメリカ、カナダ、ブラジル、オーストラリア、中国、台湾……などさまざまです。

LCCのビジネスモデルはもともと欧米が発祥地です。日本のビジネスとはまったく性格を異にします。

  • 日本のビジネスモデル・・“お客様は神様”
  • LCCのビジネスモデル・・“お金を出した人がサービスを享受”

こうした新しいビジネスモデルが日本でも定着しつつあります。社内で英語が飛び交う背景には、こうした欧米文化が取り入れられていることがあるといえます。

LCCに入るには英語力が必要

LCCに入るには実践的な英語力が必要です。新たに設立されたZIPAIRやANAが2022年の運航開始を目指すLCCなら、国際線の乗務となりますので、なおさらです。

英語力の目安はTOEIC600点以上です。これは最低限のレベルで、さらに高いレベルの英語力があれば、理想的です。

TOEICの簡単な勉強法については以下の記事で詳しく解説しているよ!

【TOEIC600点以上】就職や転職を目指す人がするべき対策!

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TOEIC600点を目指しているという人は多いのではないでしょうか。この記事では、転職や就職で有利になるTOEIC600点以上を取る勉強法を解説しています。転職や就職のために、短期間でTOEIC対策をしたいという人必見です。

中距離国際線を運航するLCCへの入社を目指す場合、“使える英語”が求められます。いまのうちに英語を勉強しておくのをおすすめします。

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まとめ

新型コロナウイルスによって航空業界は大きく様変わりしています。LCCが成長することは間違いありません。すでに大手航空会社は、鼻息荒く参入を計画しています。

CAになりたい人は、こうした業界の動きを把握することが大切です。CAの採用情報は細かくウォッチしておいてください。

入社にあたって、英語力はとても重要となります。英語が得意な人はさびつかせないようにし、苦手な人はいまから勉強しておくといいでしょう。入社して英語ができれば、社内の外国人とも親しくなれますし、自由でカジュアルな社風のなかで楽しく仕事ができると思います。

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