
インターナショナルスクールに通わせると英語力はつくのかなあ……

インターナショナルスクールの入り方ってどうなっているのかしら……
子どもをインターナショナルスクールに通わせれば、英語力や国際感覚が身につくと考える人は多いと思います。しかし、インターナショナルスクールの実情をきちんと理解しておかないと、入学させても後悔することになります。
私はアメリカでパイロットとなりましたが、一時期、2人の子どもとともに帰国していたこともありました。そのとき、インターナショナルスクールに通わせることも考えましたが……結局やめました。通わせている友人たちから詳しく話を聞いた結果です。
ここではそんな私が、インターナショナルスクールへの入り方や、英語力がどこまで向上するかについて解説します。
この記事を読めば、自信をもって子どもを通わせるかどうかの判断がつきます。
インターナショナルスクールに英語力は不可欠
インターナショナルスクールとは、そもそも日本に住んでいる外国人向けのスクールです。幼稚園(保育園)から高校まで、すべてひっくるめて「インターナショナルスクール」と呼んでいます。
就学前には“プリスクール”も
幼稚園や保育園は、インターナショナルスクールに併設されているものと、併設されていないものがあります。併設されていない施設を、一般的に“プリスクール”と呼んでいます。プリスクールは、インターナショナルスクール入学前の“準備施設”のような位置づけです。
プリスクールには0歳から就学前までの幼児が通っています。普段の活動は、歌を歌ったり工作をしたりと、日本の幼稚園・保育園とほとんど変わりません。違いはすべてが英語という点です。日本にいながら英語漬けの環境になります。
小学校以上は“インターナショナルスクール”
小学校以上は本格的なインターナショナルスクールです。日本に住む外国人の児童が通っています。
なかには日本人の入学を認めていないスクールもあります。入学はできるものの、全校児童・生徒に占める日本人の割合を半分以下にとどめるなど、制限をかけているスクールもあります。ただ最近は、日本人にも広く門戸を開いている傾向です。
スクールによっては中国語やスペイン語などで授業が行われるクラスもありますが、ほとんどのクラスは共通語が英語です。算数や理科、社会など、すべて英語で授業が行われます。
インターナショナルスクールの費用と入り方
インターナショナルスクールは、学費が高いという印象があると思います。公立の学校とくらべれば、決して安くはありません。ただ、スクールによって開きもあります。
プリスクールの費用と入り方
プリスクールの費用はざっくり以下のとおりです。
- 入学金・・15万円~30万円
- 学費(年間)・・50万円~150万円
スクールによってバラつきがあります。兄弟も通うと、学費などが割り引かれることがあります。
私の知り合いのお子さんが通っていた東京・世田谷区内のプリスクールは、HP上で費用を公表しています。以下は、通常のレギュラーコースの場合です。
- 入学金・・20万円
- 学費(年間)・・108万円
プリスクールの入り方は、たいていの場合、保護者とお子さんとの面接によって決まります。簡単な知育テストのようなものがあっても、参考程度と思っていいでしょう。
プリスクールは、本来インターナショナルスクールへの入学を希望する人が通う場所ですが、最近では子どもの英語力を高めるために、就学前だけプリスクールに通わせるケースも増えています。
この時期の子どもは言葉をどんどん吸収します。プリスクールに通わせるかどうかは別にしても、就学前から英語に触れさせるのは効果的です。

就学前の家庭での英語学習については以下の記事で詳しく解説しているよ!
【小学校入学前の英語学習】なぜ必要なのか親の疑問に答えます!

インターナショナルスクールの費用
インターナショナルスクールの相場は以下のとおりです。
- 入学金・・30万円~50万円
- 学費(年間)・・200万円~300万円
これらのほか、遠足や教材費などで別途費用がかかることもあります。
同じインターナショナルスクールでも、地方都市にくらべて東京は割高となっています。
インターナショナルスク-ルの入り方
入り方はまず大きく次の2つです。
- プリスクールからエスカレーター式
- インターナショナルスクールを受験
1は、インターナショナルスクールと併設しているプリスクールにもともと在籍していた場合です。インターナショナルスクールに入学する意思が固ければ、併設したプリスクールに最初から入ることはメリットがあります。ただ、インターナショナルスクールに併設したプリスクールはその分、学費などもやや高めです。
2は、インターナショナルスクールを新たに受験する場合です。この場合、選考のポイントは次の2つです。
- 書類審査
- 面接
もし受験するスクールが帰国子女や海外滞在歴のある人しか受け入れていなければ、書類審査で落とされてしまします。書類審査をパスすると面接です。面接は、ほとんどの場合、ネイティブが面接官をつとめ英語でのやりとりとなります。
親と子どもそろって面接を受ける場合と、子どもだけの場合とがあります。面接でみられるのは子どもの英語力だけではありません。親の英語力もみられます。スクールによっては親の英語力も重視しているからです。


英語の面接対策は以下の記事で詳しく解説しているよ!



インターナショナルスクールは高い英語力が必須
インターナショナルスクールに入るには、高い英語力が求められます。各スクールが公表している入学基準にも「年齢相当の英語力」を掲げているところが少なくありません。授業をすべて英語で行うので、当たり前といえば当たり前です。
親も英語力を磨く必要があります。外国人の保護者も多いため、学校から親への連絡や、親同士のコミュニケーションも英語になるからです。
インターナショナルスクールは“学校”ではない
インターナショナルスクールは、日本の学校教育法で定められている「学校」には該当しません。インターナショナルスクールの小・中・高を卒業しても、義務教育課程未履修で高卒の資格さえないという状態になります。
いっぽうスクールによっては、アメリカの高卒資格が得られるところもあります。海外の大学への進学を考えている人にとってはいろんな点で有利です。
スクールによっては日本の大学受験資格も得られる
将来、日本の大学進学も考えているなら、スクール選びの際に注意するポイントがあります。それは、そのスクールを卒業すると「国際バカロレア」の資格が得られるのかどうかです。
国際バカロレアは、世界のどこで教育を受けても、大学進学の資格が得られる国際的な資格です。このプログラムに参加しているスクールでないと、資格は得られません。
「国際バカロレア」の参加校なら、日本でもアメリカでも、どこの国の大学にも進める資格が取得できます。
転校は難しい
インターナショナルスクールに通うと、日本国内の小・中・高校への転校が難しくなります。
インターナショナルスクールは、日本の小・中・高と同じ位置づけではないため、たとえばスクールの中学1年生が一般の公立中学校に転校しようと思っても、「義務教育未履修」という扱いになるからです。場合によっては、小学校高学年からやり直す必要があります。
インターナショナルスクールに入学するときは、一定の“覚悟”が必要です。
私がインターナショナルスクールに通わせなかった理由
ここまでご紹介した内容は、私自身、かなり必死に調べた経緯があります。子どもをインターナショナルスクールに通わせようかと一時真剣に考えたことがあるからです。
熟慮に熟慮を重ねた結果、インターナショナルスクールはやめました。そうした結論に至った2つの理由を説明します。
学費が高い
まず1つ目の理由は学費の高さです。親としては子どもの教育のためなら惜しまないというスタンスなのですが、その価値があるのかを自問自答していました。
年間200万円~300万円の学費を12か月で割ると、ひと月20万円前後です。英語と国際感覚を身につけるのにひと月20万円は、あまりにも高いと感じました。
そのころ、子どもを大手英会話教室のベルリッツに通わせている友人がいました。ベルリッツ・キッズというコースがあり、子どもでも会話と読み書きのスキルが確実につくというレッスンです。実際にその友人の子どもは、まるで帰国子女ではないかと思うほどの英語力をみにつけていました。
ただ、友人がぼやいていたのはレッスン料の高さです。ネイティブと週2回マンツーマンのレッスンで毎月およそ4万円です。ただ、当時子どもの入学先を迷っていた私からすると、インターナショナルスクールの5分の1の料金で確実に英語力がつくなら安いものだと思いました。
しかも、きめ細かい指導ができるよう、1クラスの人数は最大3人。子どもや親の要望に応じてレッスン内容をカスタマイズしてくれるというのです。とても魅力的だと思っていた矢先に、私たちはアメリカに戻ることになってしまいました。
インターナショナルスクールへの入学で悩んでいるなら、ベルリッツ・キッズは選択肢のひとつだと思います。無料体験もできるので、いちど無料の体験レッスンを受けて子どもの反応や、授業内容を確認するのがいいのではないでしょうか。
親としてもっと子どもにできることがあると思った
インターナショナルスクールにつぎ込むお金があれば、親としてもっと子どもにできることがあるのではないかとも思いました。
インターナショナルスクールに通わせるお金があれば、英語の勉強に役立つ教材を買ったり、海外旅行をして実際の異文化体験をしたりできます。そのほうがお金の使い方として有効ではないかと思ったのです。
たとえば子どもにネイティブなみの英語力をつけさせるのに、ディズニーの番組は効果的です。私の子どももディズニーの番組を見てたくさんの英語を吸収しました。インターナショナルスクールにまかせっぱなしにするのではなく、家庭でも英語の環境をつくることはとても大切なことです。


ディズニーチャンネルを活用した小学生の英語学習については以下の記事に詳しく載っているよ!
【無料:ディズニーチャンネルを体験】小学生の英語学習に最適!



帰国子女でも普通の学校で心配はない
子どもが帰国子女だとしても、必ずしもインターナショナルスクールに通わせる必要はありません。私のまわりのも、アメリカから日本に戻った家族がたくさんいます。せっかく身につけた英語力を維持させたいとの思いで、高いお金を工面してインターナショナルスクールに通わせている人もいます。
しかし、普通の学校に通わせた子が英語を忘れるかといえば、それはどのような環境に子どもを置くかによってまちまちです。大切なのは、家庭での英語の環境です。


帰国子女が英語を忘れないようにするにはどうすればいいか、詳しくは以下の記事で解説しているよ!
【帰国子女の英語力】維持できるか忘れるかは親次第!【経験談】



まとめ
インターナショナルスクールに子どもを通わせて英語力をつけさせたいと考える親は少なくありません。ただ、入学には英語の面接をクリアしなければいけませんし、転校しずらくなるなど、それなりの覚悟が必要です。高額の学費も無視できません。
インターナショナルスクールに入る大きな目的が英語力をつけることなら、別の手段も検討したほうがいいでしょう。ご紹介したベルリッツ・キッズもひとつの選択肢です。
子どもに英語力を身につけさせるために、親の役割は重要です。それだけに、インターナショナルスクールへの入学は、慎重に検討して決めてほしいと思います。