
英語ができれば少しは就活も有利になるのかなあ……

どれぐらいの英語のレベルが必要なのかなあ……
新型コロナウイルスの影響もあり、就職活動は厳しい状況が続いています。ほかの人より秀でた“武器”がないと、就活を乗り切れるのかと不安になるのではないでしょうか。
私も就活で数々の挫折をしました……が、独学で英語を学び、アメリカでパイロットになりました。いまでは教官として訓練生の就活のお世話もしています。なので、就活や英語については誰よりも詳しいと思っています。
そんな私がここでは、就活を有利にするために必要な英語力や、その勉強法をご紹介します。
この記事を読めば、これからの限られた時間にどんな準備をすればいいかがわかります。
英語が就活で有利になる業種
英語が就活で有利になるかどうかは業種によって異なります。自分が就職しようとしている業種でどれほど英語が求められているかは、しっかり把握しておきましょう。
外資系企業では必須
外資系企業では、英語は「有利」というより「必須」です。外資系金融、外資系航空会社……これらの業種では英語の面接もあります。面接官は日本人の場合とネイティブの場合があります。
外資系の英語の面接は、英語力を見るためのものではありません。英語は使えるという前提で、志望動機や入社後にやりたいことなど、素質や適性を見るものです。

英語が得意な人は圧倒的に有利!自己PRや会社にどう貢献できるのかを英語で表現できるように!
航空会社
新型コロナウイルスの影響で、業績が大きく落ち込んでいる航空会社ですが、入社を希望しているのであれば英語の勉強をおすすめします。英語ができれば高評価です。
航空会社も英語での面接を課す会社もあります。航空会社の英語面接で見られるポイントは以下の2つです。
- 最低限の英語力
- パニクらずに対応できるか
英語力もさることながら、乗客の安全を守るという仕事上、難しい英語をまえにしてもパニくらないかもみています。
現在は採用を凍結する会社もありますが、暗い話ばかりではありません。大手エアラインに勤務する友人の話では、数年間採用を凍結すると社員の年齢構成が崩れるため、業績回復の兆しが見えたら、採用を再開したいと考えているようです。

採用再開までのあいだ、英語に磨きをかけるなど準備しよう!夢はあきらめない!
商社
大手商社への就職では、英語力は必須です。高い語学力はかなり有利になります。英語の面接まで実施する商社は多くありませんが、一定の語学力がないと書類選考で落とされてしまう場合もあります。
商社への就職を希望する場合、英語検定試験を受けるなど、書類選考でアピールできるようにしましょう。
そのほかの業種
そのほか、英語が就活で有利になる業種は次のとおりです。
- ホテル
- 運輸
- テーマパーク
- マスコミ
- 旅行
英語での面接を課す会社は少ないかもしれません。しかし、英語力が高ければ高いほど採用の可能性は高まります。実際に仕事で英語を使う機会が多い業種だからです。
書類選考で英語検定試験の高スコアなどの英語力をアピールできるようにしましょう。そうすれば、面接で食いついてくれるはずです。
就活が有利になる英語検定試験のレベル
就活を有利に進めるために英語検定試験を受ける場合、次の3つの試験をおすすめします。3つとも受験する必要はなく、1つか2つを受験すれば十分です。
- 英検
- TOEIC
- 国連英検
3つの試験とも受験して高スコアなら言うことはありません。しかし、無理して複数の試験を受験する必要はありません。2つ受験して、結果としてスコアが2つとも平均になるよりかは、1つの試験の準備に全力投球して、スコアを上げるほうが有利になります。
英検2級以上
英検を受験するなら2級以上を目指しましょう。2級といえば高卒程度の英語力です。準1級や1級を取得していれば、かなり有利になります。
英検は、2級ぐらいなら比較的取得しやすいというメリットがあります。デメリットは、受験者が多いので、2級だと目立たないことです。

英検を受験するなら最低2級!できれば準1級や1級が取得できると、かなり有利!
TOEIC600点以上
TOEICも英検とならんで就活で有利になる英語の指標です。TOEICのスコアを就活で有利にしようと思えば、600点以上は必要でしょう。
TOEICは990点満点です。TOEICは公式ページで各試験ごとのスコアの分布などを公表しています。それによると、2020年に3回行われた試験の平均スコアは以下のとおりです。
- 2020年1月 ・・・平均581.2点
- 2020年9月 ・・・平均635.3点
- 2020年10月・・・平均634.7点
試験ごとに多少のばらつきはあるものの、受験者の半数は600点をクリアしています。なので、600点はなんとしても取得したいところです。これより低いと、英語が得意とは言いがたくなってしまいます。

できれば650点以上を取ろう!そうすればかなり有利になる!
国連英検
国連英検は次のような場合にメリットがあります。
国連英検はコミュニケーション能力や、時事問題をどう英語で表現するかに重点を置いた試験です。国連英検という名のとおり、出題される問題は「平和」「民族」「国家」など国連が守備範囲とする分野の話題が目立ちます。
面接もネイティブスピーカーによる時事問題についての質問が多く、日頃から社会や政治のことにどれほど関心を持っているかが問われます。

国連英検を就活で有利にする方法や勉強法は以下の記事で詳しく解説しているよ!
【国連英検を就職に活かす】有利になる職種や勉強法を教えます!

GTEC
GTECとはGlobal Test of English Communicationの略で、日常のコミュニケーション能力を測る試験です。GTECは「聞く」「読む」「書く」「話す」の4つの分野ごとに出題されます。企業によっては、「聞く」と「読む」のスコアを採用の際の参考にするケースがあります。
「聞く」と「読む」の2つの分野だけ受験する場合、それぞれ250点満点なので、合計で500点満点です。GTECはオンラインで自宅などで受験することができ、新入社員の選考にGTECのスコアを利用する企業は増えています。


ANAはこれまでGTEC 260点以上のスコアがある人は、英語の筆記を免除していたんだ!
就活で英語力をアピールする方法
就活で英語力をアピールする方法についてもお伝えしておきます。検定試験を受験していれば、結果を履歴書などに書き込むのは当然です。検定試験を受験していなくてもアピールできる方法はあります!むしろアピールするべきです。
英語検定試験は高スコアを記入
英検やTOEICなどの検定試験のスコアを履歴書に記入するとき、次のことに注意してください。
高スコアの結果だけを記入する!不本意なスコアは書かない!
いくつか検定試験を受けた場合、せっかく苦労して取得したスコアだからと、すべてを履歴書に書き込む人がいます。気持ちはわかりますが、必ずしもおすすめしません。
たとえば英検は1級は合格したものの、TOEICは595点といった場合を考えてみます。採用担当者は?となってしまいます。英検は1級なのに、TOEICはやや低いスコアに見えてしまうからです。
この場合、TOEICのスコアを記入するのはマイナスです。すべてのスコアを正直に書く必要はありません。戦略的にアピールしましょう。
英語検定試験を受けていなくてもアピールできる
試験などの「資格」がなくても英語力は十分アピールできます。たとえば次のような経験です。
- 留学
- 英語を使ったバイトやボランティア
- 自分なりの英語勉強法
- 英語ができなくても乗り切れた経験
重要なことは、これらの経験をエピソードを交えて自己PR欄に記入できたり、面接アピールできたりするといいでしょう。
たとえば留学なら、現地で英語でのスピーチや討論会に参加したことなどです。バイトやボランティアで英語を使っていたなら、どれほど英語が役に立ったかをPRするといいでしょう。
自分なりにどう努力して英語を勉強しているか、その具体例をPRするのも悪くありません。英語力というより、努力している姿勢を示すことも重要です。
英語ができない……という人でも、身ぶり手ぶりを交えて乗り切れた経験などは、採用担当者の心に響く場合があります。前向きな姿勢は常に評価されます。


英語がうまく話せなかったけど、コミュニケーションできたという経験は貴重!そのガッツは就活でも大いに評価されるぞ!
就活を有利にするための英語勉強法
就活を有利にするためには、「試験対策」と「面接対策」があります。試験対策は過去の問題集が効果的です。面接対策は、英語力の底上げが必要です。
「底上げ」といっても難しいことではありません。完璧な英語でなくても、ほんの少しだけ英語に慣れて、表現の幅を広げることです。効率的な勉強法をご紹介します。
英語は独学できる
まず英語を勉強する大前提として、英語は高いお金をかけずに独学できることをお伝えしたいと思います。インターネットやテレビなど、身近なものが勉強のツールになります。
それを踏まえたうえで、まずは中学レベルの英語を理解しているかどうか確認しましょう。以下の内容です。
- 「be動詞」と「一般動詞」の違いがわかる
- 肯定文、疑問文、否定文が作れる
- 助動詞・動名詞がわかる
- 現在形、未来形、過去形がわかる
- 現在進行形がわかる
- 現在完了形がわかる
上記の中学英語がわからない、あるいはあやしいという人はおさらいをしましょう。市販されている書籍で勉強してもいいですし、NHKのラジオ講座などを利用してもいいでしょう。
上記の内容が理解できれば、あとはどれほど表現の幅を増やすかです。高校英語の内容をどう学べばいいの?と思うかもしれませんが、高校で新たに学ぶことといえば「関係代名詞」と「関係副詞」だけといってもいいでしょう。もちろん、さまざまな表現や新たな文法も学びますが、中学英語のときのように次々と新しいことを学ぶというのとは違います。
中学英語以上のレベルを独学で学ぶ具体的な方法としては、以下の方法があります。
- listenimgやspeaking上達させたいなら・・・TVのニュースや映画を英語で視聴
- 文法などをしっかり学びたいなら・・・市販の参考書や解説ブログや動画
市販の書籍を購入してもせいぜい数千円、ラジオ講座のテキストなら月に数百円です。CSテレビの契約がなくても、地上波でもニュースや映画の二か国語放送があります。身近なメディアを活用しない手はありません。
もうひとおすすめは英和辞典の活用です。Web版でも構いませんが、辞書は「調べる」だけでなく、例文も含めて読み込むと理解が進みます。


英語を独学する方法については以下の記事で詳しく解説しているよ!
【完全無料】英語は独学できる!体験に基づいた方法を教えます!



英検は過去問題に挑戦する
英検を受験する方の必須は過去の問題集です。おすすめのやり方は、まずはひととおり問題集に取り組みます。その際、間違えたところは印をつけておきましょう。
答え合わせの際、なぜ間違えたのかは理解するようにします。1回目の答え合わせでは、大枠で理解していれば大丈夫です。
2回目は、印をつけた間違えたところだけ取り組みます。答え合わせの際、また間違えたところには印をつけます。このとき、2回とも間違えたところは、なぜ間違えたのかじっくり時間をかけて理解しましょう。この2回間違えたところが「弱点」といえます。
時間が許せば3回目に取り組みます。試験対策で頭に入れていただきたいのは100点満点を取る必要はないことです。限られた時間を有効に使えるよう、及第点を目指しましょう。


英検2級の勉強方法などは以下の記事で詳しく解説しているよ!
【英検2級】就職活動を有利にする方法!勉強法や試験対策も解説!



TOEICは練習問題を解く
TOEICは過去問が公表されていません。過去問に近いのが、以下のTOEICの公式HPで公表されている練習問題です。これは過去問ではないものの、試験に見立てたいわばサンプル問題のようなものです。
(参考「公式TOEIC」:https://www.iibc-global.org/toeic/support/prep.html)


TOEICの勉強法については以下の記事で詳しく解説しているよ!
【TOEIC600点以上】就職や転職を目指す人がするべき対策!



正攻法vs一夜漬け法
単語や表現を覚える際、2つの方法があると思っています。以下の2つです。
- 正攻法 ・・・わからないところなどをおさらいしながら学習
- 一夜漬け法 ・・・単語帳を使って短時間に多くの単語や表現を暗記する
これまでに解説してきた方法は、いわば「正攻法」です。「一夜漬け法」は一晩でという意味ではありませんが、短時間で暗記する勉強法です。
「一夜漬け法」のポイントは単語帳を使うことです。片方に英語の単語や表現、もう片方に日本語で意味を書きます。生活のスキマ時間に、頭に入るまで繰り返し覚えるようにします。私の経験からも、単語帳はみずから「書き込む」という作業があるため、かなり記憶に残りやすくなります。
無料の独学に必要な3つのモノ
無料で英語を独学するのに必要なのは次の3つのものです。
- テレビのCS放送
- スマホやタブレット端末
- 参考書や辞書など
CSテレビの契約は、英語学習でかなり有利になります。自宅にいながら海外の番組を英語で視聴できるからです。なかでも、おすすめはスカパーです。一般のブルーレイデッキやDVDデッキとの互換性が高く、簡単に録画できます。スポーツや映画、ニュースなど、楽しみながら耳が英語に慣れていきます。
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まとめ
厳しい就職活動を勝ち抜くために、英語力をつけることをおすすめします。時間があれば、英語検定試験を受験してみましょう。受験するタイミングを逃したという人でも、努力して勉強していることは十分アピールに値します
英語は勉強してまったく損はないので、ぜひこの機会に取り組んで内定を勝ち取ってください!