
理系でもやっぱり英語は勉強しないとダメかなあ……

理系の人でも英語ができないと年収に影響するって本当かなあ……
英語は、文系・理系を問わず、入試や就職で必要となることがほとんどです。理系の道に進む場合でも、英語ができないと、就職したあとの待遇にまで影響することがあります。
私のようなパイロットの世界は、文系と理系の人間がほぼ半々です。理系の道からパイロットになった仲間が、どれほど英語で苦労し、どのように克服したかを間近で見てきました。
ここではそんな私が、理系でも英語ができないとどれほど不利かを解説するとともに、理系の人が挫折しない英語勉強法もご紹介します。
この記事を読めば、英語で苦労せずに、キャリアの成功につなげることができます。
理系に英語ができない人は多い
理系の人で「英語ができない」という悩みはよく耳にします。私たちパイロットの世界も例外ではありません。
私はむしろその逆の完全な文系の人間です。私から見て、英語が苦手だという理系の人たちの特徴や共通点をご紹介します。
パイロットも理系か文系かにわかれる
パイロットは、文系と理系がちょうど半々といった感じです。理系のパイロットは、航空力学などは詳しいものの、英語での無線交信などに苦手意識を持っている人もいます。
理系の人たちは、とても論理的です。飛行機をスムーズに着陸させる方法も、論理的に考えられます。機首を上げると揚力が増すので、その分、翼の上を通過する空気の流れを抑えるため推力(速度)を落として……などです。
英語学習はある意味、おおざっぱに考える部分もあります。文法だけでは説明しきれない表現などがあるからです。英語は数学や理科と違って答えは1つではありません。日本語の直訳が、正しい英語とはかぎらないからです。“慣れ”や“場数”によってしか、理解できないこともあります。
理系の人は中学から英語が苦手の人が多い!?
理系のパイロットに話を聞くと、中学から英語が苦手だったという人が少なくありません。高校、大学と理系を強みに進学し、英語はだましだましなんとかやってきたという人が多いようです。
このため、パイロットとして英語を日常的に使っていても、実は英語の基礎があやしい人もいます。パイロット以外の理系の人のなかにも、中学時代から、英語はごまかしながらここまで来たという人もいるのではないでしょうか。
大学に入って後悔する人が多い
英語力をごまかせなくなるのが大学に入ってからです。次のような壁に直面します。
- 大学の講義やゼミで英語を使う
- 就職に英語が必要
IT関係や工学、化学、医学…こうした分野でも、レベルの高い勉強をする際には、英語で書かれた文献を参考にすることがあります。あるいは、就職の試験で英語の筆記試験を受けなければならないという場面もあるでしょう
大学に入って、それまで棚上げしてきた英語のツケがまわってくるというのは、よくあるケースです。
理系でも英語が必要な理由
大学から先は得意な理系に進み、英語とはお別れしたい。そう思っている人がいたら、それは甘い考えと言わざるを得ません。
たとえば航空会社の整備士などがいい例です。パイロットや客室乗務員と違い、英語での接客はありません。しかし、飛行機のマニュアルは英語で書かれているものが多く、外国人パイロットと話す機会もあります。
高年収を目指し、社会で一定の重責ある仕事につこうと思えば、英語は不可欠です。
大学入試や就職で必要
理系の大学入試でも英語は必須です。たとえば日本の「知の頂点」とも言われる東京大学の理学部の入試科目を見てみます。
- 共通テスト
(国語、数学、理科、外国語、地歴・公民から1科目) - 個別学力試験
(国語、数学、理科、外国語)
いずれも外国語が含まれています。ドイツ語やフランス語、中国語などができないかぎりは、英語での受験となります。英語の筆記試験だけではありません。共通テストではリスニング、個別試験では音声テストも課されます。
名の知れた研究機関や大手企業に入る際には、英語の試験が課されると思ったほうがいいでしょう。
英語の面接がある場合も
理系の知識を生かして技術系に就職する場合でも、大手企業や外資系の場合、英語の面接が課されることがあります。
英語の面接は、必ずしも英語がペラペラである必要はありません。ただそのいっぽうで、聞かれたことに対して短くていいので、英語で受け答えできる必要があります。

英語面接の対応については以下の記事に詳しく解説しているからチェックしてみて!

英語ができると高収入が見込める
理系で英語ができるのとできないのとでは、生涯賃金にも影響します。大手企業はより英語力を重視する傾向です。英語ができないと、こうした大手に就職することができません。その結果、年収減にもつながってしまいます。
わかりやすい例がITエンジニアです。ITエンジニアは次のような場面で英語が必要となります。
- 英語の説明書などの読解
- 海外の顧客とのやりとり
インターネットの世界に国境はありません。海外の顧客と英語でコミュニケーションできれば、エンジニアとしては幅広い顧客層を開拓でき、売り上げ増にもつながります。会社に属したエンジニアなら重宝されますし、海外にお得意様ができると、独立も視野に入ってきます。
ITエンジニアとして海外の顧客を相手に仕事ができれば、年収は1,000万、2,000万も夢ではありません。
理系の人が挫折しない英語勉強法
ここからは、理系の人に最適な英語勉強法をご紹介します。理系のパイロット仲間を見ていて、英語の勉強に失敗している人と、成功している人と、明暗がわかれています。失敗している人に共通しているのは、英語の基礎ができていないことです。
英語の基礎が必要
英語を勉強し直す大前提として、基礎を理解していることが必要です。具体的には中学英語です。中学英語をきちんと理解しているのかどうか、まずは自問してみてください。
有名大学で理系を学ぶ学生のなかにも、中学英語がおろそかになっている人がいます。中学生のときから、英語のわからないところを棚上げしてきたからです。
中学英語を理解せずに英会話学校などに通っても、まったく意味がありません。不安定な土台に高層マンションを建てるようなものです。自分の英語力を正しく把握できないと、スタートからつまずいてしまいます。


中学英語の基礎ができているかをまずは確認!できていなければ基礎からおさらいをする!以下の記事を参考に取り組んでみて!



割り切った勉強をするか英語を極めるか
中学英語がある程度理解できたら、現実的にどこまで英語を勉強するかです。
- 進学や就職できる英語のレベル
- 英語を極める
多くの人は、1.ではないでしょうか。そのためには高校3年生レベルの英語力が必要です。
高校3年生レベルといえば、英検2級やTOEIC600点台です。進学や就職のためと割り切って勉強するのであれば、英検2級に向けた勉強がおすすめです。TOEICは過去の問題集が市販されていないため、系統だてて勉強することが難しいからです。
また、英検2級は医療やテクノロジーなど理系の分野の出題があることも公式HPに記載されています。理系の人にとっては、英検の勉強をするメリットはあるでしょう。
(参考URL:日本英語検定協会公式HP 英検2級の試験内容)
英検2級の参考書などを読むと、いままで中途半端に覚えてきた英文法なども整理できます。せっかく勉強するなら、英検2級もこのさい取得しておきましょう。決してマイナスにはなりません。


英検2級に向けた具体的な勉強法は以下の記事を参考にしてみて!
【英検2級】就職活動を有利にする方法!勉強法や試験対策も解説!



理系の専門分野で英語を使う
中学英語が理解でき、英検2級のレベルに達したという人に挑戦してもらいたいのは、自分の専門分野に英語で触れることです。具体的には、次のようなことです。
- 専門の書籍やWEB記事を英語で読む
- SNSなどで同じ分野の海外人たちと英語で交流する
- 留学や海外でのセミナー参加する
ここまでくれば、もはや英語への苦手意識はなくなっているでしょう。英語ができることで、自分の世界も広がるはずです。
モチベーションを高めるためにも、理系の人にはぜひ自分の専門分野と絡めて英語学習をしてほしいと思います。
まとめ
文系の私から理系の人にひとつアドバイスすると、英語学習は1+1=2のように割り切れないことです。英語の文法は“例外”が多く、言語学者やネイティブでも説明しづらいことがあります。
ただ、理系の人たちは理路整然と物事を考えられる頭脳の持ち主です。「習うより慣れろ」の精神で取り組み、ぜひ良いキャリアへとつなげてください。