
就活の「適性検査」ってどんな内容なんだろう……

適性検査はどんな対策すればいいのかなあ……
就活で多くの人が受験する「適性検査」。「検査」の内容を把握して対策しないと、内定を勝ち取ることはできません。
私は2019年からアメリカでパイロットの教官として日本人を含む訓練生の指導にあたり、コロナで航空業界が打撃を受けてからは、訓練生の再就職の支援にもあたってきました。「適性検査」については精通しています。
ここではそんな私が、経験談もふまえて就活での適性検査の内容や対策について詳しく解説します。
この記事を読めば、ライバルに差をつけて内定に近づけます。
就活の「適性検査」は素質や能力を見る
就活での適性検査は、受験者の素質や能力を見るものです。SPIや玉手箱など、よく耳にする試験があるのではないでしょうか。
適性検査は1次面接前など、採用の早い段階で実施されるのが一般的です。面接に来てもらう学生の数を絞ったり、一定以上の学力がない学生を足切りしたりするためです。
適性検査は大きく次の2つから成り立っています。
- 能力検査
- 性格検査
それぞれ詳しく解説します。
能力検査
能力検査は基礎的な学力や、一般常識があるかを見極めるものです。次のような内容から構成されています。
- 一般能力テスト
国語や数学の知識、論理的思考 - 英語
英語の基礎的学力をみる - A式、B式テスト
図形や空間把握など - パワーテスト
読解力など - スピードテスト
瞬時に物事を把握できるか - 客観式
データや分析結果から読み取る - 記述式
文章力や表現力
性格検査
性格検査は文字通り性格を見るものです。極端な傾向がないかどうかを確認します。性格検査は主に次の3つの方法で行われます。
- 質問形式
「はい」「いいえ」で答える検査 - 投影法
心理検査を実施 - 作業検査法
一定時間内の作業から性格を見る
適性検査の特徴と対策【SPI】
適性検査のなかでも、多くの企業が利用しているのがSPIです。SPIはリクルート社が提供している適性検査です。
検査は外部の指定された会場で受ける場合と、自宅などからWebで受ける場合とがあります。
SPIは高卒程度の基礎学力が必要
SPIは選択式の問題です。性格検査をのぞく能力検査は、以下の3つの分野に分かれています。
- 基礎能力検査【言語/非言語】(約35分)
- 英語検査(約20分)
- 構造的把握力検査(約20分)
基礎能力検査の「言語」は国語の試験のようなものです。日本語の熟語や空欄を埋める問題などが出題されます。「非言語」は数学です。かけ算や割り算、割合や比率など、日常生活に身近な計算をする問題が目立ちます。
英語検査は高校卒業程度といわれています。企業によっては、英語検査だけ実施しない場合もあるので確認が必要です。
構造的把握力は、日本語の文章を読んで、文章の構造が似ているもの同士をグループ分けするなどの質問です。
私が受け持っていた訓練生が受験したのもSPIでした。彼は、3つの分野すべての受験を求められていました。理系だった彼は、特に英語で苦労していた様子です。理系の人にとって、高校卒業程度の英語力というのは、やや高いハードルといえます。

英語が苦手だという理系の人がどう勉強すればいいのか、以下の記事を参考にしてみて!

SPI対策は「基礎能力」と「英語」を中心に
SPI対策は「基礎能力検査」と「英語検査」を重点的に行うことをおすすめします。全体に占める設問の数が多いうえに、基礎能力と英語の検査は、準備しないと解けない問題もあるからです。
ほかの分野の検査や性格検査についても準備するに越したことはありません。ただ、これらは論理的な思考性を見る問題だったり、性格を見るものだったりします。深い「知識」は必要ありません。
私の元訓練生が使っていた参考書は以下のものです。「基礎能力」と「英語」はふつうの筆記試験のようなものです。事前に対策するかしないかで、大きな差がつきます。
私の元訓練生のように理系で英語が苦手という人の多くが、英単語や表現が覚えられずに苦労しています。もし、問題集に取り組んで、わからない単語や表現が多いと感じたら、基本に立ち返って単語を勉強することも必要です。


英単語がなかなか覚えられないという人は、ぜひ以下の記事を参考にしてみて!
【英単語が覚えられない人の特徴 】“暗記したつもり”ではダメ



適性検査の特徴と対策【玉手箱】
SPIに次いで導入する企業が多いといわれているのが玉手箱です。日本エス・エイチ・エルという人事コンサルティングファームが実施しています。
SPIにくらべて玉手箱は難易度が高いといわれています。受験者からは「時間が足りなかった」という声も目立ちます。
受験はSPIと同じように、外部の検査会場の場合と、Webの場合とがあります。外部の検査会場で受験する場合、「玉手箱」という名称ではなく、C-GABと呼ばれています。
玉手箱を利用する企業は拡大している
玉手箱を選考に利用する企業は拡大しています。就職の適性検査といえばSPIが主流でしたが、いまや三井物産や住友商事など大手企業でも玉手箱を採用しています。
玉手箱が普及した背景には、対策本が氾濫しているSPIとは違う適性検査を求める企業が増えていることがあると見られます。当初は、実施主体の日本エス・エイチ・エルと同業種の人事コンサルタント会社が多く採用していましたが、いまや幅広い業種に浸透しています。
玉手箱は“難易度が高め”!対策は必須
玉手箱は、性格検査以外は次の3つの分野から出題されます。
- 計数問題
- 言語問題
- 英語問題
SPIと同じように、数学、国語、英語の基礎的知識を問う問題です。計数問題では、ほぼ必ず表やグラフを読み解いて解答する問題があります。問題自体は決して難解なものではありませんが、ここで時間がかかってしまい、最後まで解答できなかったという声が受験者からは聞かれます。
同じように国語や英語の問題も、速読する力などが必要となります。なので、玉手箱は事前に過去の問題を解くなどの対策が必須といえます。


玉手箱は難易度が高いといわれ過去問を解くのは必須!おすすめの参考書はこちら!
適性検査の特徴と対策【CUBIC】
CUBIC(キュービック)と呼ばれる適性検査は、中小企業を中心に導入が増えています。もちろん、大手企業のなかにも導入の動きがみられます。
CUBICはSPIや玉手箱ほど知名度はないかもしれません。CUBICの特徴は、出題範囲が広いことです。
CUBICも検査会場で受験する場合と、Webで受験する場合があります。特徴などを詳しく見てみましょう。
出題範囲が広く確実な正答が重要
性格検査をのぞく、CUBICの能力検査は次の5つの分野からの出題となります。
- 言語
- 数理
- 論理
- 図形
- 英語
これを見てわかる通り、SPIや玉手箱にくらべると出題範囲が広くなっています。その分、基本的な内容を問う質問が多い傾向です。
決して簡単だということではありませんが、ひとつひとつの質問に対して確実に正解を選ぶことがより大切になってくるでしょう。
CUBICは対策するかしないかで大きな差が
CUBICは対策するかしないかで、大きな差が出ます。過去の問題に取り組むなどして対策をすれば、十分対応できます。逆に対策をしなければ、正しい解答ができない問題もあるでしょう。


CUBICの対策本はこれ!CUBICの対策本は数も少ないので貴重な参考書だ!
就活で適性検査の対策は年々難しく
対策が難しい適性検査を実施する企業は最近増えています。たとえばTALと呼ばれる検査です。
これはひと言でいうと、「不適格者」を見つけるための検査です。「不適格者」とは、人格に問題があり、社内の秩序を乱したり不祥事を起こしたりするリスクのある人間や、心の病などを抱えて長期の離職につながるような人を想定しています。
こういう話は気持ちのいいものではありませんが、企業にしてみればコストをかけて採用するので、後々後悔しない人材を獲得したいという思惑です。
TALは心理検査に近いようなものなので、なかなか対策の施しようがありません。むしろ対策をして入社したところで、それが本人や組織の幸せにつながるのか……という部分もあります。
まとめ
就活ではできることは何でもするというのが鉄則です。受験する企業が適性検査を実施していれば、ご紹介した対策本などを参考にできる限りの準備をしてください。
企業側は、あの手この手で受験者本来の姿や能力を見極めようとします。それに耐えうるためには、テクニックだけに走らず、常に向上心を持ち日ごろから能力や人間性を磨いておくことが重要です。