
GTECって就職に有利になるのかなあ……

GTECを就職で生かすには何点以上取ればいいんだろう……
最近多くの企業がGTEC(ジーテック)と呼ばれる英語の試験を、採用活動に取り入れています。GTECがどんな試験で、就職には何点必要なのかがわからないと、対策が後手に回り後悔することになります。
私は英語を独学し、アメリカでパイロットとなりました。2019年からは教官として訓練生に指導するなかで、GTECの試験についても熟知するようになりました。
ここではそんな私が、GTECを就職にどう役立てられるかを詳しく解説します。
この記事を読めば、GTECで高得点を得て就職活動を有利に進めることができます。
GTECは就職や大学入試で使われる
GTECはGlobal Test of English Communicationの略で、通信教育などを手がける「ベネッセコーポレーション」が実施しています。最初のテストは1997年に実施されました。歴史は比較的まだ浅い試験です。
しかし、この20年あまりのあいだに、GTECの受験者数は飛躍的に増えました。現在では年間126万人が受験しているといわれています。
それにともなって、GTECのスコアは次のような場面で使われるようになりました。
- 企業の採用
- 全国300を超える大学の出願条件
- およそ300の海外の大学入試
GTECの公式HPでは、スコアを活用している国内外の大学名を公表しています。
GTECは学齢や学年などに応じて、3つの種類に分かれています。それぞれどんな試験なのか、詳しく解説します。
GTEC Junior
まず1つ目は、GTEC Juniorと呼ばれる試験です。この試験はさらに3つの問題のタイプに分かれています。
Junior 1 ・・・小学5年程度
Junior 2 ・・・小学6年程度
Junior Plus ・・・中学1年~
試験はいずれも「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの分野に分かれて出題されます。試験時間は85分から95分です。
GTEC Juniorは、問題用紙にある絵について尋ねられるなどします。たとえば「聞く」分野の出題では、絵について説明している答えが3つあり、そのなかからもっとも正しいものを選ぶというものです。
GTEC
次は、中学生から高校生向けのGTECです。以下の4つの種類の問題タイプがあります。
Core ・・・中2~中3
Basic ・・・中3~高2
Advanced ・・・高1~高3
CBT ・・・高2後半~高3
GTECも「聞く」「話す」「読む」「書く」の4分野に分かれて出題されます。試験時間は102分から175分です。イラストについて正しいものを選択する質問や、短い文章について英語で答える質問などがあります。
国内外の大学進学希望者向けの試験です。
大学生・社会人向けGTEC
GTECにはもうひとつ、大学生・社会人向けの試験があります。就職活動中の人は、こちらのGTECを受験することになります。
Academic ・・・大学生レベル
Business ・・・大学生レベル
Business公開会場版 ・・・社会人レベル
こちらの試験も「聞く」「話す」「読む」「書く」に分かれています。Businessは「聞く」「読む」の2分野だけ受験することも可能です。
GTEC Businessは自宅のパソコンからでも簡単に受験できます。Business 公開会場版とは、試験会場に出向いて受験する方法です。
Businessの「話す」試験では、9コママンガを英語で説明するなどの問題もあります。
GTECスコアの見方
GTECはそれぞれの試験によって、満点の点数が異なります。
試験結果を評価するのに、スコアとは別の指標を使うこともあります。詳しく解説します。
GTEC Junior
GTEC Junior のスコアは、次のような仕組みになっています。
グレード2 ・・・205~284スコア
グレード3 ・・・285~364スコア
グレード4 ・・・365~480スコア
グレード5 ・・・481~560スコア
Juniorの試験には「グレード」と「スコア」があります。スコアは純粋に点数のことです。何点かによって、どのグレードに入るかが決まってきます。
Juniorの3つの試験とも、満点のスコアが違います。
Junior1は400点満点、Junior2は480点満点、Junior Plusは560点満点です。
それぞれのグレードごとのレベルは次のようになっています。
グレード2・・・基本的な表現が理解できる
グレード3・・・いくつかの表現が使える
グレード4・・・馴染みのある英語が使える
グレード5・・・広がりをもって英語が使える
GTEC
中学生や高校生向けのGTECには、CEFRという語学力を表す指標が使われています。
この指標は、ヨーロッパなどの大学入試で使われる共通の指標です。GTECのスコアによって、この指標の値が決まります。
CEFR・A1・・・270~689スコア
CEFR・A2・・・690~959スコア
CEFR・B1・・・960~1189スコア
CEFR・B2・・・1190~1349スコア
CEFR・C1・・・1350~1400スコア
CEFRのA1、A2は基礎段階の英語使用者、B1、B2は自立した英語使用者というレベルです。C1になると、熟達した英語使用者という評価になります。
大学生・社会人向けGTEC
大学人・社会人向けGTECはスコアしかありません。「読む」「話す」「聞く」「書く」がそれぞれ250点満点で、合計1,000点満点です。
合計で560点を超えれば、海外出張や海外での業務ができる英語力があるとされています。
GTECで就職に必要なスコアは4分野なら560点
就職の際に求められるのは、社会人向けのGTEC Businessになります。このGTEC Businessは、先ほども少し触れましたが、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4分野すべてではなく、「聞く」「読む」の2分野だけの受験も可能です。
企業によっては、この2分野での受験を求めているところもあります。
GTECを就職に生かすなら4分野で560点は欲しい
GTECで就職を有利にしようと思えば、4分野すべてを受験するなら560点は必要です。試験を主催するベネッセコーポレーションでは、点数に応じて次のような到達度を設定しています。
- 560点~649点・・・海外出張や海外担当業務ができる
- 650点~719点・・・海外赴任が可能なレベル
- 720点~1,000点・・・交渉、プレゼン、マネジメントなどができる
560点に到達しないと、主催者が設定したどの到達度にも該当しません。1,000点満点の試験の560点といえば正答率50%強です。しっかり準備をすれば、決して到達できない点数ではありません。
2分野だけなら最低260点
GTECを就職の選考に活用する企業のなかには、「聞く」「読む」の2分野での受験を求めているところもあります。新型コロナウイルスの影響で採用を凍結するまえのANAは、そんな企業のひとつです。
なぜ2分野だけ求めるのかというと、この2分野で260点というのは、TOEIC600点に相当するといわれているからです。
TOEIC600点、GTEC260点が、英語で基本的なコミュニケーションができるレベルといわれています。


TOEICの勉強法は以下の記事で詳しく解説しているよ!
【TOEIC600点以上】就職や転職を目指す人がするべき対策!



GTECで就職を勝ち取るため勉強法
GTECで260点取るのと、TOEICで600点取るのとでは、GTECのほうがはるかに簡単だという声があります。実際に私の訓練生も、TOEICでは全然振るわなかったのに、GTECで260点を突破したケースもありました。
GTECとTOEICの出題数を比較すると、圧倒的にGTECのほうが少ないためとみられます。試験時間もTOEICの半分以下です。
なので、TOEICよりもGTECの準備をしっかりするほうが、就職に有利になる部分があります。
GTECのおすすめの問題集
筆記試験対策の基本は、過去問に取り組むことです。次のような流れで問題集に取り組むと効果的です。
- 問題集を最初から解く
- 間違えた問題に印をつける
- 問題集が終わったら、間違えた問題を再び解いてみる
- 2回目も間違えた問題に印をつける
- 2回とも間違えた問題にもう一度取り組む
短期間で筆記試験の準備をするとき、優先することは及第点を取ることです。満点を取ろうとすると失敗します。
2回間違えたところは、明らかに“弱点”です。2回目の答え合わせでは、解答の解説などをじっくり読んで理解するようにします。
ただ、GTEC Businessに特化した問題集はほとんど市販されていません。なので、ひとつ下のレベルのCBTの問題集を徹底的に解くことをおすすめします。丁寧でわかりやすい解説があるGTEC CBTの問題集は以下のものです。
「聞く」「話す」の対策はナマの英語に触れる
リスニングやスピーキングを向上させるには、日ごろから英語に触れて使うことが最大の近道です。GTECの「聞く」「話す」は、一夜漬けで準備できるものではありません。日ごろの英語力が問われます。
とはいえ、就職の際に求められるGTECのスコアは、決して到達不可能なレベルではありません。少しの準備で対策が可能です。
いちばん手っ取り早い対策は、格安のオンライン英会話への参加です。大手のDMMなら、1レッスン25分で200円前後と、破格の安さです。25分の間にネイティブと生きた英語でやりとりできます。ふだん英語を使うことがない人には絶好の機会です。
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まとめ
GTECを受験するメリットは、TOEICと同じ水準の点数を取るのに、TOEICほど苦労しないといわれていることです。ただいっぽうで、「聞く」「話す」については、日ごろから英語に慣れ親しんでおく必要があります。
自分の将来を左右する進学や就職に向けGTECを受験するなら、過去問に取り組むとともに、基本的な英語の底上げを目指してください。あとで後悔することのないよう、いまからしっかり取り組んでいきましょう。