
社会人になって英語を忘れたなあ……

英語は使わないと忘れるっていうけどどうすればいいのかなあ……
社会人になって、サビついた英語を勉強し直そうという人は少なくありません。就職や転職で、必要に迫られている人もいるでしょう。でも、勉強のしかたを間違えると、いつまでたっても英語は上達しません。
私はアメリカでパイロットの教官をしていて、「英語を忘れてしまった……」という日本からの訓練生を大勢見てきました。英語を忘れるかどうかは、日ごろどんな英語の勉強をしているかによってずいぶん違うと痛感しています。
ここではそんな私が、英語を忘れる人の特徴をご紹介するとともに、英語を忘れないためにはリスニングがポイントであることなどを解説します。
この記事を読めば、挫折せずに英語を学び直すことができます。
英語を忘れる人の特徴
日本で高校まで進んだ人は、中学校から少なくとも6年間は英語を勉強しています。大学まで行った人なら、それ以上です。なのに、なかなか英語が話せない……言い古されたことではあります。
仕事や転職で英語の勉強をしなければいけない、でも、英語を忘れてしまった……。そんな人は少なくありません。英語を忘れてしまう人の特徴をまずはお伝えします。
学習から長い時間が経過
まずひとつめに、英語を勉強して時間が経過しているほど、英語を忘れている傾向があります。10年間のブランクと、1年間のブランクがある人では、10年間英語を使っていない人のほうが、忘れています。
ただ、この10年間に、英語を少しでも使っているとずいぶん違います。私がパイロットの教官になったとき、教育心理学を勉強しました。勉強したことを忘れてしまう最大の原因は、disuse(使わないこと)だとそのとき教わりました。
“使わないこと=忘れる”は、私の教官としての経験からもいえます。
学習したときに飲み込めていない
もうひとつは、英語を学んだときに、どこまでしっかり飲み込めているかが、記憶と関係しています。学習したときに、unshakable experience(鮮明な経験)があるかどうかです。
つまり、初めて学習したときに、「わー、そういうことかあ!」と鮮明な経験として記憶に刻まれれば、その後、記憶にとどまりやすいからです。学校の「教科」のひとつとして教わる英語教育では、毎回そこまでの感動をもって受け止めることはできないでしょう。
英語を忘れないためにはリスニングがカギ
私の経験から、英語を忘れないためのカギはリスニングです。ネイティブの英語にできるだけたくさん触れることで、英語の感覚は戻ってきます。
社会人になって英語をやり直す場合は、リスニングから始めることをおすすめします。
リスニングは英語学習の基本
英語学習では、まずリスニングができるようになってから、話せるようになるのが一般的です。相手の言っていることはなんとなくわかるけど、どう言えばいいかわからないというのはごく自然なことです。
転職などで英検やTOEICの勉強を余儀なくされている人もいるでしょう。そういう人にもぜひリスニングは取り入れてほしいと思います。“英語のシャワー”を浴びることで、知っていた英単語を思い出したり、英語独特の表現がよみがえってきたりします。
リスニングは忙しい社会人でも、通勤時間などを利用して取り組めます。リスニングで英語の感覚がある程度戻ってから、次のステップに進むと効果的です。
ネイティブの英語が7割聞き取れることを目指す
リスニングには、次のような英語を活用してみてください。
- テレビの2か国語放送
- 動画配信サービスの映画
- iPod
ネイティブの英語が聞ければ媒体は問いません。私がここでおすすめしているリスニングは、耳を慣らすためのものです。ですから、英語を聞き取って書き取るディクテーションなどとは違います。
英語のレベルなどはあまり難しく考える必要はありません。普通のテレビ番組や映画などで話されている英語の7割程度が理解できることを目指しましょう。7割程度わかれば、英語の感覚は十分戻ってきています。

具体的に映画からどうやって英語を勉強すればいいのかは、以下の記事で詳しく紹介しているよ!

英語が思い出せなくてもスピーキングは焦らない
多くの人が悩んでいるのはスピーキングではないでしょうか。どうすれば言いたいことを英語で言えるのか。
私自身もかつて実践した、おすすめのスピーキングの勉強法をご紹介します。
1日でもブランクがあると違和感
前提としてひとつお伝えしたいのは、英語の技能のなかで、ブランクがあったときにいちばんサビついたと自分で感じるのはスピーキングだということです。
私自身も、しばらく日本に戻っていて英語をまったく使わない日々を過ごし、久しぶりに英語を使うときには違和感があります。それどころか、1日でも英語をまったく使わずに過ごすと、次の日、英語をしゃべるときはぎこちなさを感じてしまいます。
なので、しばらくブランクがある人が、英単語が口から出てこない……というのはよくあることです。それ自体、心配する必要はありません。
英語を話す機会をつくる
スピーキングを上達させたければ、やはり話す機会が必要です。知り合いにネイティブがいれば、積極的に交流しましょう。
社会人になると、仕事で外国人とつきあいがないと、なかなか英語を使う機会がないかもしれません。その場合には、オンライン英会話を利用する方法もあります。
オンライン英会話は、使い方によってはとても効果的です。なにしろ、1回数百円という格安料金でネイティブと会話できるのですから。


オンライン英会話の選び方や注意点は、以下の記事にまとめてあるよ!



スピーキングのあとは“自己反省”
英語を使ったあとの“自己反省”もとても重要です。英語を話したとき、相手に通じたとしても、「あれ、こんな表現でよかったのかなあ……」と思うことがあります。こうした“違和感”をそのままにしておかないことです。「通じて良かった」ではなく、本当にその表現でよかったのか、あとで見直しましょう。見直す具体的な方法は次のとおりです。
- 自分が使った表現を英和辞典で調べる
- もっといい表現がないか類義語辞典や和英辞典で調べる
このように“自己反省”することで、記憶に鮮明に残ります。多くの日本人は日本語から直訳した英語を使いがちです。英語らしい表現を追求していくことで、スピーキングの感覚はどんどん戻ってきます。


スピーキングの上達に辞書は必須!辞書を正しく使えるかどうかは大きなポイントだよ!
【英語の辞書の使い方:よくある間違い】あなたは大丈夫ですか?



英語のやり直しは難しくない
中学や高校でせっかく英語を学んだのに、また1からやり直しかあ……と落胆している人にお伝えしたいのは、決して1からのスタートではないということです。
英語をすっかり忘れてしまったという人でも、1度は英語をかじっています。やり方さえ間違えなければ、自分が目指す英語力に確実に到達できます。
ゴール地点を明確に
英語を確実にものにするためには、どの程度の英語力を目指すのか、ゴール地点を明確にすることが大切です。海外旅行や海外出張で困らないようにしたければ、リスニングで英語の感覚を取り戻すとともに、先ほど解説したスピーキングの練習を続けることで目標に達成できるでしょう。
いっぽう、就職や転職などで英語力を向上させる必要がある場合は、リスニングに加え、採用試験に向けて最短の方法で準備する必要がありあす。
筆記試験の準備には、過去問題を繰り返し解くことがもっとも効果的です。過去問題がなければ、試験のレベルを調べましょう。そして、そのレベルにあった英語の準備をします。もし、レベルさえもわからなければ、高校卒業レベルの英語をおさらいしておけば安心です。具体的には、英検2級の問題集などです。


就職や転職の筆記試験対策としては、英検2級レベルをマスターしておけば安心だよ!具体的な勉強方法は以下の記事で解説しているよ!
【英検2級】就職活動を有利にする方法!勉強法や試験対策も解説!



英語での面接が控えているという人は、スピーキングの勉強が欠かせません。それと同時に、英語の面接では対策を講じることも必要です。パニックにならずに受け答えをするテクニックがあります。


英語の面接を受ける場合は、答えを急ぐ必要はない!大切なポイントは以下の記事に書いているよ!



英語を忘れないために
最終的なゴール地点がどこかに関わらず、英語をサビつかせないいちばんの近道は、日ごろから英語に触れることです。英語を話す機会がなくても、日常的にリスニングをすると、英語力を維持する効果があります。
私もかつて利用し、多くの訓練生が活用しているのが動画配信サービスのU-NEXTです。登録すると、好きな映画がスマホなどで手軽に見られます。英語で見ると、自分のリスニング力がどんどん向上するのがわかります。
デメリットは、プランによって月額1,000円から2,000円ほどの料金がかかることです。ただ、NETFLIXなどにない31日間の無料トライアルがあります。本当に価値があるかどうか、まずは無料で試してみることができます。
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まとめ
就職して社会人になったあと、英語をもっと勉強しておけばよかったという後悔の声は多く聞かれます。特に転職などで、英語の必要性に迫られるというケースは珍しくありません。
しかし、英語のやり直しは年齢に関わらずいつからでもできます。いちど英語を学習しているので、リスニングを中心に勉強し直せば、忘れていた感覚はすぐに取り戻せます。
ただ、英語に触れていないと、言葉はどんどんサビついていくのも事実です。ぜひ、英語に触れる環境をつくり、目標の達成につなげてください。