


会社の辞め方にルールがあるって本当かなあ……



いますぐにでも会社を辞めたいけどどうすればいいんだろう……
1日でも早くいまの会社を辞めたいという人は多いものです。しかし、会社の辞め方のルールを知らないと、最悪の場合、裁判沙汰になってしまいます。
私はアメリカでパイロットの教官をしていますが、訓練生のなかには、日本で円満退社せずに渡米し、その後、トラブルに巻き込まれたケースもあります。
ここではそんな私が、会社の辞め方について解説します。
この記事を読めば、円満に退社し、新たな気持ちで次のキャリアに歩み出すことができます。
会社の辞め方にはルールがある
会社を辞めたいと考えている人は、辞めるときのルールをしっかり把握する必要があります。ドラマなどでは「辞表をたたきつける」シーンがありますが、現実にはそうはいきません。
「辞める会社だから難しいこといわれる筋合いはない」と考えている人がいたら要注意です。トラブルとなり、次のキャリアにまで響くこともあります。
退職の2か月前には上司に口頭で伝える
会社を辞める決意が固まったら、辞めようと思っている日時から逆算して2か月前には直属の上司に口頭で伝えましょう。逆にいえば、「辞める」と決めてすぐに辞められるものではありません。社内の手続きや、仕事の引き継ぎなどの時間が必要だからです。
上司に伝える際には、次の点に注意が必要です。
- 2人だけの状況で伝える
- 上司に伝えるまえにうわさにならないようにする
会社を辞める場合、円満に退職できる見通しが立つまでは、社内の不特定多数の人に知られないほうがいいでしょう。社内でうわさになると、事実とは違うことがささやかれることもあるからです。そうなると、不愉快になりますし、気持ちよく退社できません。
伝えられる側の上司も、会社を辞めるという重大な決断は、うわさではなく本人の口から聞きたいはずです。
上司から引き止められる場合も
辞意を伝えた際、上司から引き止められるケースもあります。会社の人繰りの問題、あるいは本人の働きぶりなどで、慰留されることもあるでしょう。
退職の意思が固ければ、自分の気持ちを正確に伝えることが大切です。慰留してくれた上司に申し訳ないという気持ちから、意思は固いのに「ちょっと考えてみます」などと中途半端なこたえをするのはよくありません。
いっぽうで、上司と話してみて本当に気持ちが揺れ動いているなら、それはそれで素直に伝えましょう。もし気持ちが揺れ動いた場合、1週間程度をめどに結論を出すのが理想です。
上司への回答を保留したまま、ダラダラと悩み続けるのはよくありません。1週間以上も待たせてしまうと、上司の印象は悪くなります。もし会社への残留を決めた場合、居心地が悪くなるおそれもあります。
退職理由をどこまで伝えるかは本人次第
上司との面談で、退職理由を伝える「義務」はありません。会社が知りたいのは、退職の意思と、退職する場合の時期です。
とはいっても、退職を申し出れば上司は「なんで?」と聞きかえすのが、ふつうの会話というものです。伝える義務はないとはいいながらも、そこは互いの信頼関係のなかで伝えるといいでしょう。
ただ、上司に対する”悪口“につながるようなことを伝えるのは感心しません。退職理由がかりにそうだとしても、悪口暴言につながらないよううまく伝えましょう。
最後の最後で、上司の機嫌を大きく損ねてしまうと、退職の手続きがスムーズに進まないことも考えられます。最後に嫌がらせをされ、退職まで悪夢の2か月だったという人もいます。
また、次のキャリアについても必ずしも伝える義務はありません。ただ、これも上司や会社との信頼関係によります。問題がなければ、伝えてかまいませんし、伝えたくない事情があれば、伝える必要はありません。
退職願を提出する
上司が退職の意思を受け止めてくれたら、次に取りかかるのは退職願の提出です。のちのちトラブルになるのを防ぐために、本人が退職を申し出たことを書面で残す必要があります。
会社によっては、独自の書式があります。退職願の日付けをいつにするのかも含め、直属の上司と相談しましょう。
円満退職できないとトラブルになることも
円満退職を目指す必要があるのは、会社とのあいだでトラブルを回避するためです。どうせ去っていく会社だから…とたかをくくっていると痛い目にあいます。
裁判沙汰になることも
辞める会社とのトラブルで最悪のケースは、裁判沙汰になることです。どのような場合に、裁判にまで発展するのかというと、次のようなケースです。
- 就業規則に反して突然会社を辞める
- 業務の引き継ぎをしない
- 海外研修などの直後に辞める
会社を辞めるまえに「就業規則」をしっかり読み直してください。そこには、会社を辞める数か月まえに申し出ることなどの規定が明記されているはずです。
就業規則を一方的に破るような退職のしかたは就業規則違反となり、訴えられるおそれがあります。
業務の引き継ぎをせずに辞めるのも、会社に損害を与えたとして慰謝料の請求をされることがあります。
会社が社員の育成のため、海外での研修や留学に行かせることがあります。この直後に辞める場合、会社から研修費用の返還を求められることもあるので、注意が必要です。
転職先に悪影響が出ることも
退職時、会社とトラブルになると、次のキャリアにまで影響が及ぶことがあります。よくあるのは、転職先の会社に“悪口”を言いふらされることです。
どんな仕事でも「信頼」は大きな財産です。この財産が傷つかないようにするためにも、円満退職を心がけましょう。
トラブルを避けるポイント
退職時のトラブルを避けるポイントは次の3つです。
- 就業規則にのっとり余裕をもった退職
- 退職理由の伝え方
- 引き継ぎをしっかり
トラブルでいちばん多いのは、退職の時期です。具体的には、突然の退職願いです。
社員が退職する場合、会社にとっては欠員が生じることになります。人繰りを再調整する必要も出てくるでしょう。このため就業規則では、一定の時間的猶予をもった退職の申し出を求めています。就業規則に反して突然の退職願いはNGなのはもちろん、就業規則に違反しなくとも、なるべく早めに上司には意思を伝えるようにしましょう。
退職理由の伝え方もポイントです。会社や上司とわだかまりが残るような伝え方は避けましょう。かりに仕事を辞める理由が、会社や上司にあったとしても、そこはオブラートに包んだ言い方をするようにしましょう。
自分の仕事の引き継ぎをしっかりすることも大切です。引き継ぎが不十分だと、のちのちトラブルになりかねません。
いますぐにでも会社を辞めたい場合
いわゆるブラック企業に身を置いている場合、退職手続きのために2か月も待てないという人もいるのではないでしょうか。ブラック企業とまではいわなくても、職場での人間関係やハラスメントなどで、1日も早く仕事を辞めたい人もいると思います。
いますぐにでも仕事をやめたい場合、どうすればいいかご紹介します。
パワハラ・セクハラはすぐに辞められることも
パワハラやセクハラが原因で辞める場合には、就業規則に記載されている退職の申し出の時期などは、考慮しなくてもいい場合があります。精神的苦痛を与えた会社に責任があるといえるからです。
この場合、ハラスメントの認定が先決です。ハラスメント行為があったことを証明する録音やメール、ライン、あるいは近くで見ていた同僚の証言などを集める必要があります。
ハラスメントによって退職を考えている場合は、社内の相談窓口や外部の法律事務所で対応を相談することをおすすめします。ハラスメントが認定されれば、退職はしやすくなります。弁護士や人事などが、退職の手続きを全面的にバックアップしてくれます。
有給休暇を取得して退職手続きを代行してもらう
残っている有給休暇を取得し、その間に退職の手続きを代行してもらうという方法もあります。具体的には、退職代行サービスの利用です。
私の訓練生のなかにも利用した若者がいました。退職を考えている男性社員に特化した「男の退職代行」というサービスです。
料金は2万6,800円で、退職に関する社内手続きを、原則すべて代行してくれます。給料も最後の最後まで満額支払ってもらうよう会社とかけあってくれます。
このサービスを利用して円満退職した私の訓練生は、会いたくない上司と面談して退職の手続きをするという重荷から解放されたと話していました。
転職先が決まると5万円の祝い金もあり、利用料金は実質元がとれる形です。
専門だから確実に退職できる「男の退職代行」
辞める際には次の転職先をしっかり考える
退職する際には、次の転職先のメドをつけておくことが重要です。転職先としておすすめの業種や、次のキャリアを成功させるためのポイントをお伝えします。
ITエンジニアは人気の転職先
厳しい雇用環境が続くなか、転職の求人が比較的多く、待遇もいいのはITエンジニアです。具体的には、システムエンジニアやプログラマーのことです。
社会のIT化が進み、こうした職種は需要が伸びています。それにともなって、各IT企業が直面しているのが慢性的な人手不足です。このため、未経験の人を採用し、研修などを通じて0からエンジニアを育てている企業もあります。
転職先をこれから考えるという人は、選択肢のひとつに加えてみてもいいと思います。



エンジニアへの転職方法は以下の記事で詳しく解説しているよ!




英語ができれば選択肢は広がる
英語ができると、転職は有利になります。英語を使う業種では、即戦力となれるからです。TOEIC600点以上がひとつの目安といえます。



転職にはどの程度の英語力があると有利なのか、以下の記事で詳しく解説しているよ!
【転職を有利にする英語力】必要なレベルやアピール方法を解説!




また、英語ができれば、翻訳の仕事を副職でしながら、本職となる転職先を探すこともできます。転職活動中に副職ができるのは、経済的にはかなり助かる部分があるでしょう。



副業で翻訳の仕事をしながら転職を狙う方法は以下の記事で詳しく解説しているよ!




まとめ
退職にはかなりのエネルギーを使います。転職の経験がある人ならわかると思います。上司への伝達、慰留、たび重なる面談…。
会社を辞めるのにそこまで労力を使いたくないという人も多いことでしょう。転職があたりまえの世の中になったいま、退職代行サービスの利用は検討する価値があります。辞める当事者が上司と向き合うと、トラブルのもとになることも考えられるからです。退職代行サービスなら、円満退職に導いてくれます。
新しいキャリアに心機一転踏み出すためにも、円満退職できるよういまからしっかり準備しましょう。