
英語を生かして副業で翻訳の仕事できるのかなあ……

翻訳のバイトをいつかは本業にできるのかなあ……
英語がある程度できる人にとって、翻訳は、副業やバイトとして魅力的です。翻訳の経験を積めば転職や独立も夢ではありませんが、その具体的な方法を知らないと、自分の可能性を閉ざずことになってしまいます。
私は英語を独学し、アメリカでパイロットとなりました。私自身、翻訳の仕事で訓練費を稼いでいたこともありました。
ここではそんな私が、翻訳を副業にするメリットなどを詳しく解説します。
この記事を読めば、新しい自分の道を開くことにつながります。
翻訳が副業におすすめの理由
英語が多少なりともできる人は、バイトや副業で翻訳の仕事をおすすめします。「翻訳」というとハードルが高くみられがちですが、その場で訳す「通訳」とは違うので、落ち着いて取り組むことができます。
翻訳の副業は稼げる
翻訳をおすすめする最大の理由は確実に稼げることです。翻訳の報酬は、文字数に応じて支払われます。分野が専門的で難しい場合、単価が高くなる傾向です。
これまでに私が関わった翻訳と報酬を参考までにザクッとご紹介します。
- 企業のHPの英訳・・8,000円前後
- アメリカ人の日本旅行記を日本語に・・14,000円前後
- 保険会社の規約の英訳・・20,000円前後
まとまった文字数があると、ちょっとした小遣い稼ぎになります。
翻訳を副業にすると勉強になる
おすすめするもうひとつの理由は、良い勉強になることです。お金をもらっておきながら良い勉強というのも申し訳ないのですが、実践的なスキルアップにつながります。
お金をもらうとなると、翻訳にも一定のクオリティが求められます。そのためには頭をひねって考えたり、じっくり調べたりします。「勉強のための勉強」からは得られない実践的な “学び” です。
翻訳の副業は“転職”にもつながる
副業で翻訳をおすすめできるもうひとつの理由は、将来、本業として転職が可能なことです。翻訳家として転職する具体的な方法は後ほど解説しますが、バイトや副業としての「実務経験」はかなりプラスとなります。
副業からNHK二か国語放送の翻訳も
実際に私の友人の男性の例をご紹介します。もともとサラリーマンをしていましたが、副業として翻訳の仕事を始めました。
翻訳のスキルを着実につけ、翻訳の派遣会社に入ることができました。いまではNHKの夜7時のニュースを二か国語で放送するための翻訳に携わっています。
彼の話によると、日本語のニュース原稿自体、放送間際に出稿されるので、それを複数の翻訳家が一斉に英訳し、ネイティブチェックを経て放送に出ているそうです。
こうした第一線で活躍する翻訳家も、初めはバイトや副業からスタートしています。
翻訳の仕事の始め方
翻訳の仕事をもっとも手軽に始められるのは、オンライン上で翻訳者として登録することです。おすすめのサイトやサービスをご紹介します。
クラウドソーシングを利用
もっともハードルが低いのがクラウドソーシングの利用です。ハードルが低い分、報酬としては数千円単位のものが多い印象です。もちろん数をこなせば、ちょっとした“臨時収入”にはなります。
クラウドソーシングとは、ネット上で仕事を発注したいと人と、受注したい人がマッチングできるサイトのことです。さまざまな仕事がありますが、翻訳もかなりのボリュームで発注があります。
以下の2つは代表的なクラウドソーシングです。
- クラウドワークス
(参考URL:クラウドワークス) - ランサーズ
(参考URL:ランサーズ)
どちらも大手で大きな違いはないといっていいでしょう。強いて違いをあげるとすると、クラウドワークスのほうが案件の数がやや多く、いっぽうでランサーズのほうが働く人に対するサポートは充実しているといわれています。
基本的な利用の仕方は同じです。
- 無料で登録(金融機関口座は報酬の支払いに必要なので必須)
- 自己プロフィールを登録・公開
- 興味ある案件に応募
- 契約が締結されれば業務開始
- 納品・報酬の支払い
英検やTOEICなど語学の資格があれば、自己プロフィール欄に記入しておくとアピールになります。資格があってもなくても、自由記述の欄があるので、語学力や仕事に対する意欲、自分の人柄など前向きな情報を書いておくと、仕事が受注しやすくなります。
翻訳に特化したクラウドソーシングもある
翻訳に特化したクラウドソーシングを利用するのもおすすめです。ただ、これらの専門のクラウドソーシングを利用するには、一定の語学力が求められるケースもあります。代表的なサービスは以下の3つです。
- Gengo
(参考URL:Gengo) - YAQS
(参考URL:YAQS) - Conyac
(参考URL:Conyac)
このうちGengoとYAQSは、翻訳の仕事をするには専門の試験に合格しなければなりません。また、試験の結果によって、報酬の単価が決まる仕組みです。高スコアで試験をパスすれば、報酬の単価は高くなります。
ConyacはLightという短文の翻訳と、standardと「依頼」という3種類の仕事があります。このうちLightという短文の翻訳と「依頼」は、試験を受ける必要はありません。Standardのみ、試験に合格しないと仕事を受注できない仕組みです。
ちなみに、「依頼」というのは、比較的長文の翻訳依頼で、文字単価や報酬は受注者と発注者の間で交渉して決めることになっています。
アメリアはだれでも条件なく登録できる
幅広い選択肢から翻訳の仕事を選びたい人や、翻訳の勉強をしたいという人に最適なのが、「アメリア」と呼ばれる会員制の翻訳者ネットワークです。
会員になるには入会費5,500円、年会費16,500円がかかりますが、十分元がとれます。というのも、仕事を受注するだけでなく、翻訳をスキルアップさせるためのイベントやミニ翻訳コンテストなどにも参加できるからです。
「アメリア」は、翻訳の学びの場と仕事の紹介の場がいっしょになったサービスです。仕事は年間1,500件以上もあるので、えり好みして選べます。「アメリア」の登録に、語学力などの条件はありません。
学びながら仕事を積極的に受注したい、そんな意欲さえあれば、スキルも向上し高い収入も得られます。
翻訳者ネットワーク「アメリア」
翻訳で生計を立てるには
自分の職業を「翻訳家」と名乗れるぐらい、翻訳で生計を立てていきたいという人も多いのではないでしょうか。
どうすればプロの翻訳家として活躍できるのか、ポイントをまとめました。
翻訳会社に登録し仕事を受注
翻訳家はフリーランスの場合が多いといえます。一般的にはどこかの翻訳会社に登録し、仕事を受注するという働き方です。
翻訳会社を通さずに、個人で仕事がとれるようになると、独立することも夢ではありません。それぐらいのレベルに到達するには、語学力や日本語の能力、それに人柄などが重要な要素です。クライアントから信頼を勝ち取り、「次はあなたと個人的にお取り引きしたい」と言ってもらえるようになれば最高です。
先ほどご紹介した「アメリア」も、一種の翻訳会社です。「アメリア」で数多くの仕事が受注できれば、翻訳家の“端くれ”といえるでしょう。
翻訳家として生きるためにはジャンル選択も
翻訳には一般的に次の3つの分野があります。
- 実務翻訳
- 出版翻訳
- 映像翻訳
実務翻訳は一般の企業関係や医療、学術など、幅広い分野が対象です。具体的な仕事も、契約書、ウェブサイト、プレゼン資料……などあらゆる翻訳があります。
出版翻訳は外国語で書かれた海外の出版物を日本語に訳す仕事です。膨大な量の翻訳になりますが、その分、高い収入も期待できます。原文に忠実に、かつ日本語としていかに読みやすい文章にするかがポイントです。
映像翻訳は、海外の映画やドラマ、動画などに、日本語の吹き替えや字幕を入れるための翻訳です。最近、かなり需要が高くなってきている分野です。
翻訳家としては、専門分野をもっていると強いといわれます。専門分野での翻訳を繰り返し行い、翻訳会社やクライアントに認められれば、その分野の翻訳は優先して仕事がまわってくるでしょう。専門分野があれば、独立もしやすくなるでしょう。
翻訳の仕事をするのに必要な英語力
翻訳の仕事に必要な英語力は次のとおりといわれています。
- 英検1級
- TOEIC900点以上
これは、翻訳の仕事をする際の条件ではありません。あくまでも、英語力の目安です。翻訳の仕事を本格的にこなしたければ、目指して損はない目標です。
英検1級・TOEIC900点は英語の頂点
英検1級やTOEIC900点台といえば、ほぼネイティブなみです。基本的な文法はもちろんのこと、語彙力が求められます。TOEIC900点台を狙うなら、読解力やリスニングの正確さとスピードも必要です。
こうした英語検定試験で高スコアを取るには、事前の試験対策も欠かせません。自分の英語力がどのレベルにあるのか、いちど受験して確認することをおすすめします。

TOEIC900点台を目指すなら、以下の記事も参考にしてみて!
【TOEIC900点で就活は有利!】勉強法は問題集だけじゃダメ

翻訳の仕事をするには時事英語の勉強を
翻訳の仕事をする場合、時事英語に強いと有利です。政治や経済、社会一般と関わりのある翻訳が多いからです。まったくの趣味の世界など、政治や経済とまったく関係のない翻訳の仕事もあります。ただ、時事英語ができると、選択肢が広がります。
時事英語の勉強に最適なのは英字新聞です。英字新聞は、日本の新聞紙上でも話題のニュースが英語で書かれています。どんな表現を使っているのか、とても参考になります。あわせて、政治や経済の専門用語も学べるので一石二鳥です。


おすすめの英字新聞は「ジャパンタイムズアルファ」だよ!おすすめの理由や使い方は、以下の記事で詳しく説明しているよ!



英語的な感覚を身につける
TOEIC900点台を取得し、難しい英単語さえ知っていればいいのかというと、そうではありません。英語のスラングや慣用句など、生きた英語の感覚を身につけていないと、意味を誤解してしまうこともあります。
また、英語にない日本語のニュアンスをどう伝えるのかも翻訳家の力量が問われます。日本独自の文化を英語でどう表現するのかなども、理解していなければなりません。


英語にない日本語を表現する方法については以下の記事で詳しく解説しているよ!
【英語にない日本語の表現方法】ネイティブに伝わる言い方23選



まとめ
英語がある程度できる、あるいは英語が好きだという方は、いちど翻訳の仕事に挑戦してみるといいと思います。副業だけでも小遣い稼ぎには十分なりますし、将来のスキルアップにつながるのでおすすめです。
アメリアなどに登録して学びながら仕事を受注することでセカンドキャリア、あるいは将来の独立にもつながります。独立は決して夢の話ではありません。ぜひいまから挑戦してみてください。