
転職するのにTOEIC600点は取りたいんだよなあ……

TOEIC600点以上あると就職で有利になるって本当かなあ……
TOEIC600点以上だと、転職や就職で一定の語学力があると評価されます。しかし、正しい方法で勉強しないと、TOEIC600点を獲得することはできません。
私はTOEIC900点台を取得し、アメリカでパイロットとなりました。2019年からは教官として訓練生の英語の指導にもあたっています。
ここではそんな私が、転職や就職で有利となるTOEIC600点以上を取るための勉強法を解説します。
この記事を読めば、確実にTOEIC600点台を達成できるでしょう。
TOEICの取得は転職や就職に有利
TOEICはTest of English for International Communicationの略です。その名前のとおり、コミュニケーション力に重点が置かれています。
実践的な英語力が証明できるとされていることから、一定のスコアがあれば、就職や転職では“武器”となります。
試験の構成
TOEICの試験は、リスニングとリーディングの2つから構成されています。それぞれ詳しくみてみましょう。
Part (6問)・・・写真についての説明で正しいものを選ぶ
Part 2(25問)・・・質問や文章についてふさわしいものを選ぶ
Part 3(39問)・・・会話について正しいものを選ぶ
Part 4(30問)・・・ナレーションについて正しいものを選ぶ
Part 5(30問)・・・短文穴埋め問題
Part 6(16問)・・・長文穴埋め問題
Part 7(54問)・・・与えられた文章について正しいものを選ぶ
問題の数はあわせて200問、試験時間は2時間です。
TOEICは990点満点
TOEICの配点は次のようになっています。
リーディイング・・・495点満点
計990点満点
リスニングとリーディングが半々ずつの採点です。しかし、1問ごとの配点は公表されていません。しかも、1問ごとの配点は、受験者全体の正答率を基準に変動しています。
どの問題が高配点かなどを事前に把握することはできません。このため試験対策が難しく、真の英語力がないと高得点は獲得できないとされています。
TOEIC600点は受験者の半数がクリア
TOEICは公式ページで受験者数やスコア分布の詳細を公表しています。2020年に行われた3回の試験の平均スコアは以下のとおりです。
- 2020年1月 ・・・平均581.2点
- 2020年9月 ・・・平均635.3点
- 2020年10月 ・・・平均634.7点
(参考「公式TOEIC」:https://www.iibc-global.org/toeic/official_data/lr.html)
試験により多少のばらつきはあるものの、だいたい600点が平均です。つまり2人に1人は、600点をクリアしています。
TOEIC600点以上で転職や就職でアピールできる!
転職や就職で有利になるのは、TOEIC600点以上です。2人に1人が獲得できるTOEIC600点は、いわば中間ラインだからです。これより低いスコアだと、語学力をなかなかアピールできません。
TOEIC600点は高校卒業レベル
TOEIC600点は、高校卒業程度の英語レベルです。英検でいうと、英検2級程度に相当します。最低限、以下の文法を理解する必要があります。
- 現在・過去・未来形
- 動名詞・不定詞
- 現在完了形
- 関係代名詞や関係副詞
TOEIC600点で評価される業種
TOEIC600点あれば一般的に次のような業種で評価されます。
- 航空業界
- 旅行業界
- 運輸・運送業界
- 観光・宿泊業界
これらの業種は、外国人と実際に英語で会話する機会があります。高校卒業程度の英語力があれば、日常会話で支障はありません。
航空会社など一部の企業では、TOEIC600点以上を取得していると、英語の筆記試験が免除されます。
TOEIC800点以上ないと評価されない業種
TOEIC800点以上ないと、転職で有利にならない業種もあります。以下の業種です。
- 商社
- 外資系企業
- IT関連
- 通訳・翻訳
これらの業種は、かなり高度な英語力が必要となります。商社や外資系企業では、英語で込み入った商談をする機会もあります。ビジネス英語なども必要です。
IT関連も、エンジニアなどは英語の説明書を読み解かなくてはなりません。通訳・翻訳も、高い英語力が必要なことは言わずもがなです。これらの仕事につくことを希望している場合には、TOEIC800点といわず、900点以上を目指すと有利になります。

TOEIC900点を目指すなら、以下の記事を参考にしてみて!
【TOEIC900点で就活は有利!】勉強法は問題集だけじゃダメ

転職や就職を成功させるためのTOEIC勉強法
転職や就職で結果に結びつけるためには、短期間でTOEICの対策をしなければなりません。通常、筆記試験の対策といえば、基本は過去問です。しかし、TOEICは過去問を公表していません。
私がおすすめするTOEICの勉強法を以下にご紹介します。
公式ページの練習問題を解く
まず取り組んでほしいのは、公式HPにある練習問題です。“過去問”そのものではありませんが、実際の試験に見立てたいわばサンプル問題です。
(参考「公式TOEIC」:https://www.iibc-global.org/toeic/support/prep.html)
公式HPにいくと、「プラクティス」と書かれた参考書と「問題集」、それに「公式ガイドブック」があります。このうち「問題集」をまずは解いてみてください。
この問題集で、正答率が7~8割なら問題ありません。引き続き問題集に取り組み、精度を高めていきます。もし正答率が5割に満たなければ、公式HPにある「プラクティス」と書かれた参考書も併用して勉強しましょう。
リスニング試験対策
リスニングの試験の対策について重要な2点をまずはお伝えします。
- メモ禁止
- 音声は1回しか流れない
こうしたことを前提に対策を考えると、やるべきことはひとつ。正しいと思った選択肢はすぐに回答するということです。
TOEICのリスニング試験は、いわゆる“引っかけ問題”のような、答えに迷う選択肢はありません。ヒアリングがきちんとできていれば、明らかに正しい答えがひとつ、ほかは明らかに間違っていることがわかります。なので、きちんと聞き取ることが最大かつ唯一の対策です。
リスニング力向上には海外のテレビが効果的
リスニング力を向上させるために最適なのは、海外のテレビ番組を英語で見ることです。ジャンルは問いませんが、個人的におすすめなのはCNNです。CNNは、政治や経済の専門用語を知らないと理解できないかというと、そうではありません。ゲストとの対談も多く、日常会話に近い英語が使われます。
映画やドラマはスラング(俗語)が多く、TOEIC600点を目指す人にふさわしいとはいえません。映画は「効果音」も多く聞き取りにくいこともあり、短期間でTOEICの対策をする人には不向きです。
私もCNNから多くの英語を学びました。いまでもCNNから表現を盗んでいます。


CNNで英語力をつける具体的な方法は、以下の記事で詳しく解説しているよ!
【CNNで英語学習】効果大!経験者が挫折しない勉強法教えます



リーディング試験対策
リーディング試験で重要なのは次の3点です。前半で解説した試験の構成も振り返りながら、頭に入れておいてください。
- メモは禁止
- Part5に時間をかけてはダメ
- Part6、7は速読力が問われる
リスニングのときと同じように、メモを取ることは禁止です。
Part5は短文の穴埋めです。答えられるかどうかは、その単語や熟語を知っているかどうかです。いくら考えても、知らなければわかりません。ということは、もし単語や熟語がわからなければ、ここで時間をかけてもしかたがないということです。消去法やあてずっぽうでもいいので、ここではすみやかに答え終わるようにしましょう。
Part6とPart7は、いかに短い時間で文章全体の意味を理解できるかが重要です。Part7については、設問をまずみてどんな内容を聞かれるのかを把握してから文章を読むのもひとつの方法です。
長文読解で大切なポイントは、わからない単語があってもそこで立ち止まらないことです。読み進むうちにわからない単語の意味を類推できることもあります。
リーディング力向上には英字新聞が最適
リーディング力をつけるのに英字新聞は最適です。英語学習者向けに発行されているジャパンタイムズアルファは最適な教材です。紙面には、記事に登場する難しい単語の解説もあります。それだけでなく、購読すると、ネイティブによる記事のナレーションを聞くこともできます。


ジャパンタイムズアルファについては、以下の記事で詳しく解説しているよ!



もしジャパンタイムズアルファでモノ足りなければ、WSJ(ウォールストリートジャーナル)がいいでしょう。アメリカの本格的な経済紙です。日本でも購読することができます。


WSJの購読方法については、以下の記事に詳しくまとめているよ!
【無料あり】ウォールストリートジャーナル購読で英語上級者に!



リーディングも場数です。目が横文字に慣れてくると、速読もできるようになります。英字新聞で、しっかり場数を踏みましょう。
TOEIC600点の近道は日ごろの英語学習
こうしてみると、TOEICは一夜漬けで対策というわけにはいかないことがわかります。本当の意味での英語力が備わっていないと、高スコアは難しいといえるでしょう。
TOEIC600点を目指すなら、ぜひあすからでも、ここでご紹介したことに取り組んでみてください。日ごろの英語学習こそが、TOEIC600点への近道です。
まとめ
TOEIC600点は、実現不可能なスコアではありません。きちんと対策すれば、誰でも達成できます。
TOEICの試験では、「時間が足りなかった」という受験者からの声をよく耳にします。テンポの早い試験なので、素早く聞き取ったり読み取ったりするスキルが必要です。
ぜひこの記事で紹介した勉強法を参考に、TOEICで600点以上を取得し、希望する転職や就職につなげてください。