
相手に失礼にならない英語のあいさつを知りたいなあ……

ネイティブの人たちはどんなあいさつを使っているのかなあ……
あいさつは、英語を勉強するとき最初に習うことのひとつです。いまさら勉強しなくてもわかっている!…と思っていると大きな落とし穴にはまってしまいます。基本の表現を知らないと、相手に失礼になることもあるからです。
私は英語を独学し、アメリカでパイロットをしています。仕事や私生活を通して、どういう状況にどんなあいさつがしっくりくるのか、熟知しています。
ここではそんな私が、英語のあいさつ24選をご紹介します。
この記事を読めば、英語でスムーズにコミュニケーションできるようになります。
初対面に人に“はじめまして”
初対面のあいさつはしっかり覚えておきたい表現です。このあいさつがきちんとできるかできないかで、相手の印象も変わってくるでしょう。
「はじめまして」と言う場合、あわせて自分の名前も伝えるのが一般的です。ファーストネームを伝えるといいでしょう。
初対面やビジネスシーンでもファーストネームで大丈夫です。名字だけを伝えることはほとんどなく、フォーマルな場では、フルネームを伝えます。
“How do you do ?” は実はあまり使わない
「初めまして」は以下の表現が知られています。学校などで教わったという人もいるのではないでしょうか。
実はこの表現、会話ではほとんど使いません。特にアメリカでは、まず使わないと思っていいでしょう。
日本語の「ごきげんよう」が、日常の会話ではほとんど使われないのと同じです。How do you do? はいったん頭の中から消去してかまいません。
Nice to meet you.
初対面の人へのあいさつで、もっともよく使われる表現です。どんな相手でも、“Nice to meet you.”と言っておけば間違いありません。
より自然な言い方をしたければ、Nice to meet you.のまえに Hi. などのあいさつをつけるといいでしょう。以下のような言い方が、いちばん自然です。
I’ve been looking forward to seeing you.
メールやSNSなどで連絡をとっていた相手に初めて会う場合のあいさつです。直訳は「お会いするのを楽しみにしていました」という意味です。
この表現とNice to meet you.を組み合わせることもできます。
“おはよう”から“こんばんは”まで
英語を話すときに必ず使う基本的なあいさつです。時間帯によって、異なる表現があります。
Hello/Hi.
こちらは、いずれも時間帯問わず使えるあいさつです。違いは次のとおりです。
- Hello ・・いつでもだれにでも使える「こんにちは」
- Hi ・・カジュアルに「こんにちは」という表現
Hello.はとにかく万能です。フライト中、無線の周波数を変えて新しい管制官に話しかけるとき、“Hello.”と切り出すパイロットもいます。
Hi.も初対面の相手でも使えます。Hello.よりカジュアルな印象です。
Good morning.
朝のあいさつです。カジュアルな場面でも、フォーマルな場面でもどちらでも使えます。ホームステイに行って、朝起きてホストファミリーと顔を合わせるときなどはGood morning.です。留学先や海外のオフィスで朝、同級生や同僚に会ったときもGood morning.がふさわしいでしょう。
ちなみに、深夜0時を過ぎると、外が真っ暗でもGood morning.というあいさつが聞かれます。なので、使える時間帯は、深夜0時すぎから午前11時ぐらいと、長時間にわたります。
Good afternoon.
こちらは午後の時間帯の「こんにちは」です。Good morning.にくらべると、ややフォーマルに聞こえます。仕事上で付き合う人へのあいさつというイメージです。友達や同僚に対しては、午後に顔を合わせたとしても、Hello.やHi.のほうが自然です。
使える時間帯の目安としては正午すぎから午後3時すぎぐらいまででしょう。
Good evening.
「こんばんは」という表現です。Good morning.と同じように、カジュアルなシーンとそうでない場合、両方使えます。
使える時間帯は幅広く、夕方4時前後から深夜までです。
How are you?
英語では、これまでご紹介したあいさつに、How are you?(元気ですか?)を付け加えることがよくあります。How are you? はHello.と同じような、いつでも使える定番のあいさつと思えばいいでしょう。ネイティブは、初対面の人に対しても使います。
店の店員は、訪れた客にHow are you? と声をかけます。「いらっしゃいませ」の感覚です。
親しい友達や同僚どうしだと、次のような言い方もできます。
- How are you doing?
- How’s it going?
- What’s up?
いずれも「どう調子は?」といったニュアンスです。
“How are you?” と聞かれたら
How are you? と声をかけられた場合の答え方もしっかり準備しておく必要があります。How are you? と尋ねられ、あたふたしたくないものです。一般的な答え方を以下にご紹介します。
- I’m great.
- I’m good.
- I’m OK.
- Pretty good.
I’m great.は、I’m good.やI’m OK.より元気の度合いが高いなど、微妙なニュアンスの違いはありますが、どれも基本的には「元気です」という返事です。
もし「元気です」という答えがいまの自分にあてはまっていなければ、簡単な英語で返事しましょう。たとえば次のような言い方です。
- I’m surviving.
(なんとかやっています) - I’m getting over jet lag/homesick/cold.
(時差ぼけ/ホームシック/風邪は治りつつあります)
“ありがとう”と感謝の気持ちを伝える
英語で「ありがとう」はとても大切なあいさつです。日本語の「すみません」が人間関係の潤滑油なのと同じように、相手への心づかいを表します。
Thank you.
もっとも一般的な「ありがとう/ありがとうございます」です。Thank you.は相手に関係なく使えます。
カジュアルに言いたい場合にはThanks. 、丁寧に言いたい場合にはThank you very much.です。
I appreciate it.
直訳すると「感謝します」という意味です。Thank you.やThank you very much.よりもあらたまって感謝の気持ちを伝えるときに使います。
相手が初対面かどうかや、目上の人かどうかは関係ありません。感謝の気持ちをしっかり伝えたい場合に、I appreciate it.を使うようにしましょう。
It’s very nice of you.
「ご親切に」というあいさつです。「なんてあなたは優しいんだ」と言いたいときに、この表現を使うといいでしょう。
ネイティブによっては愚直に“You are nice/kind.”(あなたは親切だ)と言うこともあります。日本語だとストレートすぎて気恥ずかしい表現も、英語では日常的に使います。
どういたしまして
自分が感謝される立場だった場合にどう返答すればいいのでしょうか。答え方の例をご紹介します。
- You’re welcome.
- My pleasure.
- No problem.
- That’s OK.
もっとも一般的なのはYou’re welcome.(どういたしまして)です。どんなシチュエーションにも対応できます。
My pleasure.の意味は「喜んで」。気にする必要ありませんよという意味合いです。No problem.もThat’s OK.も「気にしないで」という意味です。
“ごめんなさい”と謝る
謝罪する表現もしっかり把握する必要があります。また、逆に謝られたときに、気持ちよく「大丈夫ですよ」と伝える表現も知っておくと便利です。
I’m sorry.
もっともよく使われる「ごめんなさい/すみません」という表現です。
英語を勉強している人のなかには、英語圏では日本のように簡単に謝らないと思っている人がいます。決してそんなことはありません。「失礼しました!」と思ったときは、I’m sorry.を積極的に使いましょう。
ただ、なんでもかんでも「すみません」と言っておけばいいという日本語とは、ニュアンスが違います。使いすぎには注意が必要です。
My apologies.
これはI’m sorry.よりもきちんと謝罪する必要がある場合に使います。「私が悪かった」というニュアンスです。
apology(謝罪)という単語は、常に複数形にして使います。
Sorry for the inconvenience.
「ご迷惑をおかけして申し訳ない」という謝罪の表現です。多くの日本人は “Sorry for the trouble.”という表現を使っています。意味はまったく同じです。英語的な発想では「不便をかける=迷惑をかける」という意味になります。
ビジネスのメールや、遅延した飛行機の機内アナウンスなどで使われます。
謝罪に対して“いえいえ、大丈夫です”
謝罪を受けた際の「いえいえ、大丈夫です」という返事のしかたを以下にまとめました。
- That’s OK.
- No problem.
- No worries.
That’s OK.は「大丈夫ですよ」、No problem.は「問題ありません」という表現です。No worries.は「心配しないでください」という意味になります。
英語で“お世話になりました”
英語にも「お世話になりました」という表現があります。私たちパイロットも、飛行中ちょっとした機体のトラブルで管制官の助けを借りたとき、必ず最後に英語で「お世話になりました」と伝えています。
Thanks for your help.
日本語の「お世話になりました」にいちばん近いのがこの表現でしょう。直訳としては、「助けてくれてありがとう」です。
Thank you.だけでは感謝の気持ちを伝えきれないという場合には、ぜひ使ってみてください。
You’ve been of great help.
これは「あなたは本当に助けになった」という意味です。本当に助けられたという気持ちを伝える場合に、ぴったりの表現です。
文法的にはof helpで「役に立つ」というフレーズです。
よろしくお願いします
これは日本語では頻繁に使う表現です。「引き続きよろしくお願いします」や「今後とも…」など、さまざまな言い方があります。
「よろしくお願いします」については、直訳できる英語の表現がありません。使う状況によって、英語でふさわしい言い方が異なります。
留学先や海外のオフィスで初対面の人たちに「よろしくお願いします」という場合には、“I’ll be looking forward to working with you.”(いっしょに仕事や勉強するのを楽しみにしています)と言えます。
別れ際に「よろしく」という場合には、“Thank you.”で十分です。

英語にない日本語をどう表現するかについては以下の記事で詳しく解説しているよ!
【英語にない日本語の表現方法】ネイティブに伝わる言い方23選

別れ際のあいさつ
人と別れるときのあいさつは、英語は日本語にくらべて多種多様です。シチュエーションに応じて、もっともしっくりくるあいさつを使うようにしましょう。
Bye.
いちばんオーソドックスな別れのあいさつです。Bye-byeと言うこともあります。日本語で「バイバイ」は、子どもっぽい印象ですが、英語では初対面の相手でも使うことがあります。Byeをよく使うのは次のようなシチュエーションです。
- 電話を切るとき
- 親しい人と別れるとき
電話を切るときの「失礼します」に近い使い方をします。かなり多くのネイティブが、電話を切るときにBye(Bye-bye)を使っています。
友人や同僚など親しい相手と別れるときもByeは使われます。
See you.
「またね」というあいさつです。近いうちにまた会う相手に使います。あるいは、実際には近く会う予定はないものの、「近々会いたいね」という思いを込めて使う場合もあります。
親しい友人などに対してカジュアルに言いたい場合は、“See ya.”でもかまいません。「近いうち会いましょう」と未来を強調するときは、“I’ll see you.”という言い方もあります。
Take care.
直訳すると「気をつけてね」という意味です。相手を気づかう別れ際のあいさつです。「さようなら」の意味でのTake careは、特にアメリカでよく使われます。どちらかというと、親しい相手へのあいさつです。
友人などには、メールの結びにTake care.を使う場合もあります。


メールの結びのあいさつなどは以下に記事で詳しく解説しているよ!
英語のメールの書き方は?書き出しや挨拶から結びまで例文もご紹介!



Good night
別れるのが夕方以降なら、日本語と同じように「おやすみなさい」という方法もあります。これはフォーマルな場面でも、インフォーマルな場面でも使えます。
逆に朝に人と別れるなら、Good morning.が使えます。その場合、「おはよう」と区別するために、Goodにアクセントを置いて発音します。
Have a good day.
「良い1日を」というこの英語的な表現も、別れ際のあいさつとしてよく使われます。時間帯が午後から夕方にかけてなら、“Have a good afternoon.”や“Have a good evening.”です。
そのほか、次のように応用することもできます。
- Have a good week.(週の始まりのとき)
- Have a good weekend.(週末)
- Have a good flight.(飛行機で旅立つ人へ)
- Have a good time.(どこかに出かける人に)
まとめ
あいさつのは、その言語を映し出す鏡ともいえます。英語のあいさつなら、英語という言葉の特徴や文化が影響するからです。
ネイティブが使っているあいさつが自然と口から出るようになれば、英語上級者の仲間入りです。たかがあいさつ、されどあいさつ。ぜひあいさつのバリエーションを増やして、英語でのコミュニケーションがスムーズにできるようにしましょう。