
英語のメールって、書き出しから難しいんだよなあ……

英語のメールのテンプレートみたいのあればラクなのに……
仕事やプライベートで海外の人とやりとりをする際、英語のメールはよく使う手段です。でも、書き出しから結びまでの書き方がわからないと、相手に失礼になってしまうこともあります。
私はアメリカでパイロットをしています。仕事上、英語のメールは何百通と書いてきました。
ここではそんな私が、英語のメールの書き出しから結びまでを例文とともに解説します。
この記事を読めば、英語のメールを書くのに悩むことはありません。
【英語のメール】書き出しから結びまで
まずは、英語のメールの基本的な“体裁”を把握しておきましょう。書き出しから結びまでは、以下のようなスタイルです。
Dear Tom, ←宛名
Hi. How are you? I’m fine. ←書き出しの挨拶
I just wanted to let you know I’m planning to come and visit New York next summer.
I just thought it would great if we could get together and catch some coffee. ←本文
I’ll be back with more details later on.
Looking forward to seeing you. ←締めの言葉
Sincerely, ←結び
Kazu ←自分の名前
英語のメールはビジネス、プライベート問わず、このスタイルが基本です。英語のメールを書く際には、毎回このスタイルをテンプレートとして思い出してください。
【英語のメール】書き出しは相手との“親しさ”で決まる
テンプレートにある宛名と書き出しの挨拶は、相手との親しさによって表現が変わります。変わらないのは、宛名は基本的にDear~から始まることです。
Dearのあとはファーストネームかファミリーネーム
Dearのあとは、ファーストネーム(名前)かファミリーネーム(名字)を使います。親しければファーストネーム、相手に特に敬意を表したい場合にはファミリーネームです。
日本人は宛名にファミリーネームを多用しがちの印象です。宛名にファミリーネームを使うのは以下のような場合です。
- 相手の社会的地位が高い場合
- 仕事上の取引相手や顧客に対して
- 生徒が先生に
このように一定の上下関係がある場合です。初対面や知り合って間もない場合でも、仕事上の主従関係がなければ、フランクにファーストネームでかまいません。
ファミリーネームの場合は“呼称”が必要
Dearのあとにファーストネームを続ける場合には、呼び捨てです。英語ではファーストネームの呼び捨てが、相手への好意を示します。恐縮がる必要はありません。
ファミリーネームを使う場合には、名字の前に呼称が必要です。呼称とは次のようなものです。
- Mr.
- Ms.
- Dr.
- Prof.
- Prez.
つまり肩書きです。社会的な肩書きがなければ、男性ならMr.、女性ならMs.が一般的です。相手が医者や博士ならDr.(Doctor)、教授ならProf.(Professor)、社長や大統領ならPrez.(President)です。
書き出しは会ったときに交わす挨拶
書き出しの挨拶は難しく考える必要はありません。メールを送る相手に会った場合に、交わすであろう挨拶をそのまま英文にすればいいだけです。
例えば次のような挨拶です。1から4にいくに従って、くだけた表現になります。
- Hi. How are you? I hope you are fine.
(お元気ですか?お元気のことと思います) - Hi How have you been? I’ve been fine.
(どうしていますか?こちらは元気です) - Hi. How are you doing?
(調子はどうですか?) - Hey, what’s up?
(最近どう?)
メールの届く時間が、現地時間の朝の場合、Good morning.(おはようございます)の書き出しでも、もちろん問題ありません。ポイントは、メールを送る相手に普段どんな挨拶をしているかです。

英語の基本の挨拶は以下の記事にまとめているよ!

ビジネスシーンのフォーマルな書き出し
ご紹介した4つの書き出しのうち、1や2はビジネスシーンでも十分使えます。もう少し丁寧さを出したければ、Hi.の部分をHello.やGood afternoon. Good morning.などに変えるといいでしょう。
そのあとに続くI hope you are fine.(お元気のことと思います)も決してくだけてはいませんが、もっとフォーマルな印象を出したければ、次のような表現もあります。
- I hope this email finds you well.(お元気のことと思います)
- I hope you’re staying healthy.(ご健勝のことと思います)
【英語のメール】本文は「結論」から
書き出しの挨拶のあとは、いよいよ本文です。英語のメールの特徴は、「用件」や「結論」から書くことです。
問い合わせる場合
問い合わせのメールを送る場合を考えてみましょう。ここでは、海外の大学に願書について問い合わせるというシナリオで考えてみます。
では、さっそく具体例として、良い例と悪い例を見てみましょう。
I have a few questions on sending my application letter.
Does this need to be sent by mail? Or can I send it online?
I saw the guidance video, but it didn’t specify how you want me to send it.
(願書について何点かお問い合わせをいたします。願書は郵送する必要がありますか?
オンラインでの送付でもよろしいですか?
入学案内のビデオを見ましたが、送付方法が指定されていなかったのでお尋ねしました)
I saw the guidance video, but it didn’t specify how to send the application letter. Does this need to be sent by mail? Or can I send it online?
(入学案内のビデオを見ましたが、願書の送付方法が指定されていませんでした。
願書は郵送する必要がありますか?オンラインでの送付でもよろしいですか?)
どちらも尋ねていることは同じです。最初の例文は、用件・結論から伝えています。2つめの例文は、まず状況を説明してから用件を伝えています。
どちらでも意味は通ります。ただ、英語的な表現は、最初の例文です。用件や結論から伝えるほうが相手に伝わりやすくなります。I have a few questions on……(……についてお尋ねがあります)という言い回しは、結論から切り出すのに便利な表現です。
お願いごとをする場合
お願いごとをする際の表現もいくつかご紹介します。これらもテンプレートとしてぜひ活用してください。
- Would you please ……?(……をしていただけますか?)
- I wonder if you could ……(……をしていただけないものでしょうか?)
- I’d appreciate it if you could ……(……していただけるとありがたく思います)
なにかをお願いする場合は、これらの表現を最初に使うことで、結論から入っていけます。たとえば大学などの出願書類を送ってほしいというお願いなら、以下のような表現になります。
結論をこうして伝えたあとに、理由を続けます。
I am very interested in getting into your college.
「貴大学へぜひ入学したいと思っておりますので」という一文はこのようにあとに来ます。日本語では逆のことが多いのではないでしょうか。「貴大学へぜひ入学したいと思っておりまして、出願書類を送っていただけないでしょうか」と。
【英語のメール】結びの表現
メールの最後は、冒頭のテンプレートにあるように、「締めの言葉」と「結びの言葉」です。これもそれぞれ便利な表現をまとめました。
締めの言葉
締めの言葉は本文を書き終えたあと、1行か2行程度で簡単に書きます。ここでも4にいくに従ってくだけた表現となります。
- I want to thank you for everything you’ve done for me. I certainly appreciate it.
(私のためにいろいろとしてくださってありがとうございます。本当に感謝しています) - I hope everything goes well with you. I hope to see you next time around.
(すべてうまくいくことを願っています。また次回お目にかかれることを期待しています) - I must let you go. Again, thanks for your help.
(以上です。本当にお世話になりありがとうございます) - Got to go. I’ll be in touch.
(じゃあこのへんで。また連絡します)
締めの言葉を書くポイントは、別れ際の挨拶をすると思ってください。別れを切り出し、別れの言葉を言う感覚です。ご紹介した表現を参考に、ぜひ自分なりに考えてみてください。
結びの言葉
結びの言葉は英語独特の表現です。結びの言葉は、いくつか定型の表現があります。これらの表現を機械的に覚えておくと便利です。
- Respectfully yours,
尊敬する目上の人に。 - Sincerely,
もっとも一般的な結び。どんな相手にも使える。 - Best regards,
Sincerelyとほぼ同じ。誰にでも使える。 - Best wishes,
直訳すると「幸運を」。親しい相手に使う。 - Love,
「親愛なる」という意味。異性の友人など親しい相手に。
使い方に迷ったら、Sincerely,を使っておけば間違いありません。Sincerely,は相手を問いません。
結びの言葉を書く際の注意点は、上の例にあるように、コンマをつけることです。これも機械的にそういうものだと覚えてしまいましょう。
メールの最後に書きたくなる「よろしくお願いします」
日本人はメールの最後に、どうしても「引き続きよろしくお願いします」と書きたくなります。これを英語でどう言う…これにあたる英語はありません!強いて英語にすると、、、、
Thank you. です!
えっ、これだけ?と思うかもしれませんが、いちばん近い英語はThank you.です。
意外に思うかもしれませんが、書くことがなくなったらThank you.と書いて、結びの言葉を添えてパソコンを閉じてもかまいません。


日本語独特の表現を英語でどう表現するかは、以下の記事にまとめてあるよ!
【英語にない日本語の表現方法】ネイティブに伝わる言い方23選



まとめ
英語のメールは、書き出しから結びまでの体裁をいちど覚えてしまえば簡単です。本文中は、常に結論から書き出すことを意識してください。
ビジネスでもプライベートでも、英語のメールは欠かせません。ここでご紹介したテンプレートを参考に、ぜひどんどん英語のメールを書いていってください。