【英語にない日本語の表現方法】ネイティブに伝わる言い方23選

英語Q&A

英語にない日本語ってどう表現すればいいんだろう……

英語って日本語のニュアンスを伝えにくいんだよなあ……

英語にない日本語や、逆に日本語にない英語をどう表現するかは、外国語学習の楽しさでもあります。でも、直訳していたんでは、まったく意味が伝わりません。

私は英語を独学しアメリカでパイロットとなりました。現地のネイティブと会話しているなかで、英語にない日本語をどう伝えればいいかコツがわかりました。

ここではそんな私が、英語にない日本語をニュアンスまで的確に伝える表現23選をご紹介します。

この記事を読めば、会話やビジネスシーンで苦労することはありません。

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英語にない日本語のあいさつ

日本語のあいさつには、英語にないものがあります。そんな日本語独特のあいさつを、英語で表現する方法をご紹介します。

お世話になっています

日本語で「お世話になっています」を使うシーンは大きく2つあります。

  • メールなどの文頭
  • 人と会ったとき

英語ではそれぞれ言い方が異なります。以下にご紹介します。

  • Hi. How are you? /How are you doing?
  • Nice to see you. How are you?

メールなどの文頭で使えるのは1つめの表現です。2つめは、人と会ったときの「お世話になっています」にあたります。

「お世話になっています」という直接のニュアンスはありませんが、会えてうれしい、光栄だと伝えることで、相手への感謝の気持ちを表しています。

よろしくお願いします

  • Nice to meet you. →初対面の人と会ったとき
  • Thank you very much. →別れ際など

日本語では、とりあえず「よろしくお願いします」を言っておけば人間関係がスムーズに行くみたいなところがあります。言葉に意味があるというより、人間関係の潤滑油のようなものです。

英語では初対面の人や、これからいっしょに仕事する人には“Nice to meet you.” 別れ際は“Thank you very much.”が使えます。

おつかれさまです/ご苦労さまです

  • How are you? /How are you doing? →会ったとき
  • Take care. →別れ際

英語では「おつかれさまです」も「ご苦労さまです」も区別はありません。「おつかれさまです」は”Thanks for your hard work.”という言い方があります。ただ、これはあいさつではなく、「日ごろのご苦労に感謝します」という、やや形式ばった言い方です。

英語でのあいさつについては、以下の記事でさらに詳しく解説しているよ!

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英語にない日本語の“気持ち”を伝える

自分の「気持ち」を表現する英語が見あたらないという経験はないでしょうか。同じ人間なのに、日本でよく使う「気持ち」の表現が、英語にはないことがあります。

どんな英語で表現すればいいのか考えます。

なつかしい

It brings me back nice old memories.

辞書などを引くとreminiscent(なつかしむ)といった言葉が出てきますが、会話ではもっと簡単な単語で表現します。

「高校時代を思い出す」なら、次のような言い方です。

It brings me back my high school memories.

もったいない

What a waste!

wasteは「無駄」という意味です。「なんて無駄なんだ」という言い方で「もったいない」というニュアンスになります。

頑張って!

  • Good luck.
  • Cheers.
  • Hang in there.
  • Go for it.

「頑張って」はいくつか英語表現があります。あらゆるシチュエーションに使えるのが“Good luck.”です。“Good luck.”を使っておけば間違いない部分があります。

“Cheers”は「応援しているよ!」というニュアンスです。“Hang in there.”は直訳すると「しがみついていて!」という意味、つまり「あきらめないで!」という意味合いになります。

“Go for it.”は「それに向かっていけ」、つまり「目標に向かって頑張れ」というニュアンスです。私もかつてパイロットになるまえ、あるアメリカ人のエアラインパイロットから“Go for it.”と言われたことがあります。

面倒くさい

It’s a hassle.

hassleは「困難なこと」という意味です。そこから意味が転じ、「面倒くさい」という意味になります。

ビミョー

  • Not really.
  • OK, but not really great.
  • Tricky.

日本語の「ビミョー」はいろいろな意味を含んでいます。誰かから「なにか食べたい?」と聞かれたのに対して「ビミョー」という場合は、“Not really.”がしっくりきます。

人物やモノ、サービスなどに対する評価として「ビミョー」という場合は、“OK, but not really great.”がニュアンスは近いと思います。

“tricky”はどちらかというと漢字の「微妙」に近く、どちらとも判断しづらい場合に使える表現です。

ヤバい

  • Oh, Gosh!
  • I’d be in trouble!
  • I can’t believe it.

「ヤベー!」と感嘆詞として表現する場合は“Oh, Gosh!”がそれにあたります。ちなみに話がやや脱線しますが、こういう場合、“Oh, My God!”は避けるほうが無難です。実は“Oh, My God!”は熱心なキリスト教信者にとっては、冒とくされていると感じることもあるからです。

「これはヤバイ……」とこの先大変なことになりそうな場合には、“I’d be in trouble.”“I can’t believe it.”です。

「あの人ヤバイよね……」というときは“I can’t believe it.”でニュアンスが伝わります。

日本語的な“謙遜”を英語で表現する

謙遜する表現は日本語独特で英語にはないとよく言われますが、決してそうではありません。

英語で謙遜する表現を知っていれば、人間関係の潤滑油にもなります。

恐縮です

I’m flattered.

flatterは「お世辞を言う」です。受け身にして「お世辞を言われた」、つまり「えらくほめられてしまいました」という意味です。これで「恐縮です」というニュアンスになります。

「恐縮ですが~してもらえませんか?」とお願いする表現は別の言い方になる!便利な英語の基礎フレーズについては以下の記事で詳しく解説しているよ!

【英語の基礎フレーズ】ネイティブが使う英会話の便利な表現37選

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英会話でよく使う便利な表現を知りたいという方は多いのではないでしょうか。アメリカの空を飛んでいるパイロットが、これを知っておけば困らないという基礎フレーズ37選をご紹介します。英会話を上達させたいという方は必見です。

手前みそですが/私事ですが

Being self-indulgent

self-indulgentは「自己陶酔している」という意味です。つまり、「ちょっとうぬぼれたことを言いますが」という意味で、「手前みそですが」というニュアンスになります。

この表現が実際に使われている例をひとつご紹介します。あるYouTubeの動画に定年退職する管制官の最後の無線交信がアップされていて、そこで管制官は最後の離陸許可を出す飛行機のパイロットに次のように伝えていました。

“Being self-indulgent here, 33 years 2 months and 4 days, you’re about to be the recipient of the last transmission from me. Hope you have a great flight today. Cleared for takeoff.”
(私事ですが、33年2か月と4日、私からの無線交信はこれが最後となります。良いフライトを。離陸を許可します)

「私事で恐縮ですが」というときに使えるおすすめの表現です。

英語にない日本の子育ての行事を表現する

子どもから大人になるときの行事やしきたりなどで、英語にないものもあります。こういう場合には、それらの行事やしきたりがどんなものなのか、英語で説明しなければなりません。

七五三

七五三は欧米にはないため、1から英語で説明する必要があります。こういう場合には、複雑な英語を使わず、簡単な英語でわかりやすく伝えるのがポイントです。

Shichi-go-san is a traditional Japanese event to celebrate children’s growth. Boys aged 3 and 5, girls aged 3 and 7 get congratulated. Girls wear kimonos, boys wear suits and pay visits to shrines with their parents in November to pray for good fortune.

塾通い

「塾」を辞書で引くと“cram school”と出てきます。cramは詰め込むという意味です。ですから、cram schoolと言えば塾の意味になりますが、ネイティブに通じるかというとこれはまた別問題です。欧米ではcram school自体、普及していないからです。cram schoolでわかるネイティブは一定のインテリ層といえます。

ですから「塾」は、たとえば以下のように表現するといいでしょう。

After-school-hour tutoring classes to help students perform better in school
(成績向上のため放課後に通うレッスン)

お年玉

A Japanese tradition on New Year’s Day, where parents, grand-parents or relatives give money to children.
(正月に親やおじいちゃんおばあちゃん、親戚などが子どもにお金を渡す日本の伝統)

英語にすると、まったく情緒がありませんが……。

英語にないビジネス界特有の日本語

日本にあって、欧米にはあまりないビジネスのしきたりもあります。これらを英語で表現する方法についてもご紹介します。

転勤

欧米の企業に転勤はほとんどありません。あったとしても、本人の意思で新たなポジションにつく場合です。会社の人事異動の一環として、数年おきに転勤がある日本の制度は、説明しないと伝わりません。

辞書で調べると、「転勤」はtransferなどが出てきます。しかし、これも先ほどの「塾」と同じように、正しい英語だから伝わるとはかぎりません。「転勤」を英語で説明すると、以下のようになります。

Many Japanese companies have annual personnel reshuffle. Employees get new posts, sometimes at different locations, requiring moving to a different town.
(多くの日本企業は毎年転勤という制度があり、時として引っ越しをともなって新たな勤務地の別の部署に異動になります)

詳細は追ってご連絡します

I’ll get back to you with more details later on.

ビジネスのメールなどでよく使う表現です。英語でもよく使う表現なので、覚えておくと便利です。

“先輩”と“後輩”

  • Senior colleagues
  • Junior colleagues

入社年次の古い人は英語でsenior、年次の浅い人はjuniorといいます。ニュアンスは、日本語とはやや違います。

日本では先輩は尊敬の対象であり、後輩の面倒をみる存在です。アメリカでは、そういった徒弟関係の意味合いはなく、どちらかというと待遇に直結しています。

航空業界でもseniorのパイロットや客室乗務員は、希望する勤務地やフライトの目的地などを先に選べます。給与ももちろん高水準です。juniorは余りモノの勤務地とフライト先から選ばなければなりません。

飲み会

A drinking party

全体として会社の飲み会はかなり衰退していますが、企業によっては、依然、仕事後に上司と部下が酒を交わすことがあります。

欧米では比較的珍しいことです。なので、“飲みニケーション”のニュアンスを伝えるには説明が必要になります。

Company drinking parties are held to develop bonds among co-workers, as those gatherings provide casual atmosphere, where you can interact with one another more frankly.
(会社の飲み会は社員同士のきずなを深めるためにあります。こうした場では互いに打ち解けて話ができるからです)

歓迎・送別会

  • A welcome party
  • A farewell party

歓迎会・送別会も欧米では決して一般的ではありませんが、この言い方でニュアンスも含めて意味は伝わります。

英語にない日本文化に根ざす独特な表現

ボケとツッコミなど、日本文化に根ざしたものは、英語で表現するのにかなり苦労します。それぞれ英語でどう表現できるのか、考えてみます。

ボケる

Intentionally misinterpret things like air-headed

直訳すると「わざとアホのように間違えた解釈をする」という意味です。ニュアンス含めて短くわかりやすく英語で説明すると、こんな言い方になります。

ツッコむ

Butting in to correct the misinterpretation by berating the speaker.

butt inは「割って入る」という意味です。割って入って、相手に怒りながら間違いを正すという意味です。

日本にはボケとツッコミの文化があることを説明するなら以下のようになります。

Sometimes Japanese humor involves 2 persons with distinctive separate roles. One intentionally misinterprets the other, making it look funny, and the other correcting it in a manner that berates the partner.
(日本には役割が違う2人の掛け合いで笑いをとる文化があります。1人はわざとボケて間違えて、もう1人は怒りながらそれを正して笑いをとります)

塩対応

Not being friendly

「塩対応で申し訳ない」と言うなら、“Sorry for not being friendly.”です。

バズる

Go viral

「バズる」はbuzz(話題になる)という単語からきています。“make a buzz”という表現もありますが、意味としては単に「話題になる」程度です。ですから、「バズる」というニュアンスなら、“go viral”です。
「私のツイートがバズった」なら次のようになります。

My tweet has gone viral.

まとめ

英語にない日本語を表現するときのポイントは、単語を直訳しないことです。直訳に頼っていると、英語は正しいけどネイティブに伝わらないということが起きてしまいます。

もうひとつのポイントは、英和辞書の使い方です。英単語の意味を調べるだけで終わっていませんか。単語の使い方や例文までしっかりみておくことが大切です。

辞書の使い方のポイントについては以下の記事で詳しく解説しているよ!

【英語の辞書の使い方:よくある間違い】あなたは大丈夫ですか?

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英語の辞書は単語の意味を調べるためだけにあると思っていませんか?辞書を使いこなせるかどうかで英語力に差が生じます。この記事では英語の辞書の効果的な使い方を解説しています。英語の勉強法を見直したいという人必見です!

難しい単語を次々と覚えるだけでなく、知っている単語をしっかり使いこなせるようにしてください。

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