
ウォール・ストリート・ジャーナルって購読する価値あるのかなあ……

お金かけて購読しないで無料で読めないのかなあ……
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は英語の学習に最適です。でも、お得な購読方法を知らないまま利用すると、損をしてしまうこともあります。
私はアメリカでパイロットをしていますが、渡米前、ウォール・ストリート・ジャーナルを購読して英語の勉強をしていたことがありました。
ここではそんな私が、ウォール・ストリート・ジャーナルで英語を効果的に勉強する方法について解説します。
この記事を読めば、WSJを無料で利用する方法や、お得な購読方法もわかります。
WSJは世界を代表する経済紙
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は経済が専門の日刊新聞です。アメリカの新聞ですが、世界的な影響力があります。
ニューヨークのウォールストリートで活躍するビジネスパーソンや、世界のビジネスリーダーたちの多くが読者です。
経済だけでなく政治や社会の記事も充実
ウォール・ストリート・ジャーナルは経済面だけでなく、政治や社会面も充実しています。1950年代ごろまでは、経済の話題に特化した紙面づくりだったといいます。その後、一般紙と同じように政治や社会の話題も幅広く扱うようになりました。
その結果、世界的に発行部数を伸ばし、いまのような影響力ある新聞に育ったとされています。
気骨の新聞
ウォール・ストリート・ジャーナルは、どちらかというと“保守系”の新聞とみられています。論調も「経済自由主義」、簡単にいうと弱肉強食を是とする姿勢です。ただ、私は読んでいて、アメリカのFOXテレビほど露骨な保守系ではないと感じます。
社会的なネタも含めて、最近ではこんなスクープを報じています(いずれも2021年4月の紙面から)。
- “バイデン大統領が中東湾岸地域の米軍一部撤退を命じる”
- “米がイランへの経済制裁緩和へ”
- “メキシコとポーランドでファイザー社のワクチン偽物が摘発”
2001年のアメリカ同時多発テロでは、世界貿易センタービルに隣接する本社も被害を受け、複数の社員が死亡しています。こうした歴史が、ウォール・ストリート・ジャーナルを単なる経済紙ではなく、気骨ある新聞に育てたという声も聞かれます。
WSJは英語学習に最適
ウォール・ストリート・ジャーナルは、英語の学習に最適です。他の英字新聞にはないメリットがあります。
日本語と英語を比較できる
最大のメリットは、オリジナルの英語の記事と日本語訳を比較できることです。
たとえば、ウォール・ストリート・ジャーナルのデジタル版を購読すると、日本語と英語、中国語の3か国語で配信されます。読む際には、ボタンひとつで言語の切り替えが可能です。これにより、記事中の英語の意味を、すぐさま日本語で確認できます。
難しい英語の表現があっても、いちいち辞書をひく必要がありません。
時事英語やトレンドに強くなる
直近の政治・経済の話題や、トレンドを英語で表現する方法を学べるのもメリットです。
たとえば、2020年4月にこんなタイトルの記事がありました。“Lots of Jobs Await the Class of 2021. So Does Plenty of Competition.”ちなみに、ここでの“Class”は「同期生」という意味で、“2021年の卒業生を待ち受けるのはたくさんの就職口、そしてしれつな内定獲得競争”という意味です。
記事には次のような英単語が次々と登場します。就職関連の時事英語や、生きた英語の表現です。
- コロナによる低迷した経済・・pandemic-led economic slump
- 求人・・job postings
- サービス業・・hospitality business
- 履歴書の中身をさらにレベルアップさせる・・bolster a resume
- 夢をあくまでも追い求める・・hold out for a dream job
この記事では、最近の就職活動のトレンドとして、オンライン面接だけでなく、“pre-recorded interviews”が増えていると紹介しています。事前に収録した面接用の動画のことです。つまり、オンラインで面接官と直接結ぶのではなく、事前に受け取った質問のこたえを動画で収録して送るというものです。
生きた英語とともに、こうした最新のトレンドも学べます。
活字メディア独特の表現
ひとつ注意が必要なのは、新聞という特性上、活字メディア独特の表現が多用されていることです。実際に、ウォール・ストリート・ジャーナルでどんな表現が使われているのか見てみます。
- A group of American oil executives held in a crowded Venezuelan prison were released to house arrest Friday, according to a person briefed on the negotiations.
- The Biden administration will restrict travel from India beginning Tuesday, the White House said Friday.
どちらも情報源を明示しています。1.の“according to”も2.の“the White House said”も会話で使いますが、使い方が異なります。テレビのニュースや会話では、文章のアタマに置くのが一般的です。上の例のように、文章の最後に付け加えるのは、活字メディアならではです。
もうひとつ活字メディアの特徴は、センテンスが長いことです。whichやwhereなど、関係代名詞や関係副詞を使って、単語をうしろから修飾するパターンが多くみられます。
ウォール・ストリート・ジャーナルに登場する単語や表現は会話でも使えます。ただ、センテンスを丸ごと覚えて会話で使うと、やや活字の言葉っぽい印象になるので注意が必要です。
実際の会話では、英作文のような長いセンテンスは使いません。同じ時事問題を扱うメディアでも、CNNなどのニュースは、話し言葉に近いといえます。

CNNを活用した英語学習の方法は以下の記事で詳しく解説しているよ!
【CNNで英語学習】効果大!経験者が挫折しない勉強法教えます

WSJを無料で読む方法
ウォール・ストリート・ジャーナルは、無料で利用することもできます。上手に利用すれば、無料で使いながら英語の勉強ができます。
記事の途中までなら無料
ウォール・ストリート・ジャーナルの電子版を読む際、記事の途中までは無料で読むことができます。実際にどこまで無料で読めるのか、以下のウォール・ストリート・ジャーナルのHPに飛ぶとわかります。
https://www.wsj.com/
記事をクリックするとわかるように、無料で読めるのは、リード(見出しにあたる文章)から段落3つぐらいまでです。ここまででも、かなり記事の内容が把握できます。
記事を理解するうえで重要な単語は、リードや記事の前半に登場するのが一般的です。無料で記事を読むだけでも、英語をかなり吸収できます。
無料でネイティブによるナレーションも
ウォール・ストリート・ジャーナルは、ネイティブの英語のナレーションも聞けます。これももちろん無料です。ナレーションの分量は、時間にして1分から2分です。
各記事のタイトルと本文のあいだに右向きの三角形の矢印があり、“Listen to this article.”と書かれた表示があります。ここをクリックすると、ナレーションが聞けます。
記事前半の無料で見られる部分は、ナレーションで聞くことができます。記事を目で追いながらナレーションを聞けば、リスニングの勉強にもなります。単語の発音の勉強にもなるでしょう。


英字新聞では、ジャパンタイムズアルファもネイティブによるナレーションが聞けるよ!詳しくは以下の記事で解説しているよ!



Twitterなら無料で記事が読める
TwitterのWSJのアカウントを登録すると、記事のURLつきのツイートを受け取れます。URLをクリックすると、電子版の記事に誘導されます。
表示されるのは、記事の途中までの無料で読める部分です。Twitterのアカウントを登録することで、配信された記事を見落とすことがありません。
ちなみに、もし記事が日本語になっている場合、画面の「原文(英語)」のボタンをクリックすると英語で表示されます。
WSJの料金や購読方法
無料でもある程度読むことができるウォール・ストリート・ジャーナルですが、購読するメリットもあります。次のとおりです。
- 人気の記事も全文読める
- クリックひとつで日本語と英語の記事を読みくらべられる
- イベントやセミナーに優先的に招待される
ウォール・ストリート・ジャーナルには機関投資家の“バイブル”と呼ばれるBarron’sの記事や金融政策、ビジネス・テクノロジーの最新特集なども掲載されています。こうした記事を最後まで読めるうえに、ワンクリックで日本語と英語を見くらべることもできます。
お得な購読方法についても解説します。
WSJは毎日新聞の購読で無料になることも
ウォール・ストリート・ジャーナルは日本の毎日新聞と提携しています。毎日新聞の購読方法によっては、追加料金なしでウォール・ストリート・ジャーナルも読むことができます。
毎日新聞の購読には、次の4つの方法があります。追加料金なしでウォール・ストリート・ジャーナルが読めるのは、これら4つのうち3つのプランに申し込んだ場合です。
- 宅配購読者無料プラン・・WSJ購読不可×
- 宅配購読者プレミアムプラン・・WSJ購読可○
- デジタル版スタンダードプラン・・WSJ購読可○
- デジタル版プレミアムプラン・・WSJ購読可○
これらのプランのうち、デジタル版スタンダードプランを12か月分まとめて契約すると、月額の購読料は770円です。この料金で、毎日新聞とウォール・ストリート・ジャーナルの両方を読むことができます。
(参考URL:『毎日新聞』)
WSJにオンラインで直接申し込むのがいちばんお得
料金的にもっともお得に購読できるのが、ウォール・ストリート・ジャーナルにオンラインで直接申し込む方法です。
いまならキャンペーンを実施しているため、月額わずか440円で購読できます。いまのうちに契約すれば12か月間は440円のままです。解約は手数料がかからず、いつでもできます。440円でお試しに1、2か月だけでも購読してみるのもいいと思います。
まとめ
ウォール・ストリート・ジャーナルの英語は最初は難しいと感じるかもしれません。でも、私の経験上、数か月で慣れてきます。難しいと感じていた英語も、何度も記事で目にするようになり、徐々に自分のものとなります。
新聞では、よく使われる常套句があります。こうした表現がわかってくると、一気に記事が読みやすくなるからです。
そこまでくれば、こっちのものです。海外のビジネス関係者との会話も弾みます。語彙が増えることで、通常の会話でも、英語らしい表現が使えるようになります。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、最高で、かつとても安い自己投資です。ぜひあすからでも、読んでみてください。